数十年ぶりにバスに乗る。
バスの形も、料金も、
走るルートも変わってた。
同じバス停から乗ったひとりの老婆。
同じとこで降りるんだろうなって
老婆の後ろの席に座る。
だって
あの、とまりますボタンを押すのって勇気がいる。
押そうとした瞬間に、他の人にボタンを押された後の
行き場のない人差し指……
悲しくて
恥ずかしくなる
そして、悔しい(笑)
だから
同じとこで降りるであろう老婆の後ろをキープ。
目的地のアナウンスが流れる。
さぁ、出番だよ、おばあさん。
押さない・・・…
他にも降りそうな人はいなくて
仕方なく伸ばす指。
ピンポーーン
車内に響き渡る心地いい音。
すっごく気持ちいい(笑)
もう1回押したいよぉ。
このボタン欲しいよぉ。
帰りも押そ
そう決めた。