「和」の会の具体的な事業

1. 医療チームにおける各メンバーの役割を明確にし、互いにその情報の共有を図る。
2. オストメイトの居住地域にかかわらず質の高いケアを受けることができるように、地域拠点病院の整備とそのネットワーク化を図る。
3. オストメイトへの問題提起や支援をとおして、オストメイトおよび家族の対処力の強化を図る。

「和」の会は以下の図のように構成されています。
理事会では、事業の運営に関する審議を行い、実際の事業活動は各部会が中心になって行います。

「和」の会理事長 高野正博

オストメイトの生活を支援する会

オストメイトが高齢になると、セルフケアの獲得や継続が困難となります。

このような状況になったとき、社会福祉制度を活用しながら、家族や医療者のサポートをうけることになります。

しかし、高齢者の一人暮らしや夫婦だけの世帯が増加しているという近年の家族形態から、家族のサポートが得られにくい、あるいは老老介護などが問題となっています。

熊本県は面積が広い上に島嶼部や山間部を含んだ地形で移動には時間を要するため、各地域の医療施設でオストメイトをサポートすることが望まれます。
しかし、現状はケアに携わる様々な医療者の知識不足や未熟さなどストーマケアに習熟した医療者の人材不足が問題となっています。
また、オストメイトの数は地域医療を必要としている人全体から見ると決して多いとは言えず、各施設ではオストメイトのケアを充実させるために多くの人員やコストを割くことが難しいといわれています。


さらに、ヘルパーによるストーマケアが認められていないなど、介護サービスが十分に整備されているとは言えません。 このように高齢オストメイトを取り巻く状況は厳しく、そのためオストメイトには加齢問題の発生する前から対策を検討しておくことが求められます。

しかし、我々の調査では、ストーマケアが自立している壮年期・老年期のオストメイトは加齢 に伴う問題を具体的に把握することが難いようでした。 そこで、オストメイト、家族、医師や看護師、その他の医療従事者（ケアマネージャー、ケースワーカー、栄養士）、装具メーカーなどの人々が、高齢オストメイトの安寧な暮らしについてともに考え、支え合う組織が必要であると考えました。


本会は、高齢になることによって生じるストーマケアの問題が発生する前から、あらゆる世代のオストメイトや家族がその問題への対処力を高めるように支援すること、およびその支援に携わる医療者のサポート力を高めることによって、オストメイトの生活の質が高まることを目指します。

「和」の会は、オストメイトの生活を支援する会です

オストメイトとは人工肛門や人工膀胱をもっている人のことです。
「和」の会は、オストメイトの生活を支援する会です。

「和」の会という名称は、安寧(あんねい)な老後の英訳「well-being for aging」の頭文字のＷとＡをあわせてＷＡとし、それに平和の「和」の字をあてて生まれました。

これにはオストメイト、家族、医療従事者などが共に手を携えて前向きに歩むことを目指していこうという意味が込められています。
さらに、この会では、高齢オストメイトの生活とその支援について広く社会に公開していくことを目的としています。