共同通信社  5月14日(火) 配信


 中国で感染が広がっている鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)について、日本政府の新型インフルエンザ等対策有識者会議の尾身茂(おみ・しげる)会長が13日、東京都内の日本記者クラブで会見。限定的な人から人への感染の可能性を指摘しながらも、鳥の殺処分など中国当局の対策で世界的な大流行には至らず「収束に向かう可能性もある」と期待を示した。

 尾身氏は、鳥と接触していない人や感染者の家族が発症した例などから、家族内など「限局的な人から人への感染が起きている可能性がある」とする一方、大流行につながるような「効率的な感染の証拠はない」と述べた。

 H7N9型が鳥に対して低病原性のため「鳥の感染がどこまで広がっているかが分からず、コントロールを難しくしている」と分析。「感染が鳥の間で静かに続いている可能性を否定できない」とした。

 また「ウイルスの駆逐は難しい。高齢者が感染すると重症化しやすいと考えられ、感染した人を早く発見することが一番大切」と話した。

 世界保健機関(WHO)と中国の衛生当局はこれまで、人から人に感染したと結論付けるまでの証拠はないとの見解を示している。(共同)