共同通信社  3月25日(月) 配信

 政府の産業競争力会議は22日、健康・医療分野の成長戦略を議論するテーマ別会合を開いた。民間議員は、原則として3割としている医療費の自己負担割合に関し、疾病の種類に応じて差をつける仕組みを提案。「風邪なら7割負担」などとすることを求めた。

 高齢者の負担も引き上げるよう促し、社会保障費用の膨張に歯止めをかける必要性を強調した内容だ。

 民間議員が会合で示した提言書によると、医療費の自己負担の最低限度額を設定し、治療費が少額な場合は患者の全額支払いとすることを提案。がんなど高額な医療費負担を軽減するための窓口負担の上限額も、引き上げの検討を求めた。

 1割に凍結されている70~74歳の患者の窓口負担は2割に戻し、75歳以上も2割負担への引き上げを検討。介護保険の自己負担率は重度に応じた区分が必要とした。予防に重点を置き、「ワンコイン検診」のような安価で手軽な手段を普及することも掲げた。

 成長分野とされる再生医療の実用化に向けては、税制優遇などで手厚く支援する「ポストスーパー特区」を創設。学校跡地やニュータウンの空き室などを活用した高齢者向け賃貸住宅の整備なども盛り込んだ。健康な高齢者による有償ボランティアの普及など、介護現場での人材確保策も提案している。