共同通信社  3月18日(月) 配信


 内閣府は16日、がん対策に関する世論調査結果を発表した。日本のがん検診の受診率が20~30%程度と低い現状を踏まえ、検診を受けない理由を複数回答で聞くと、「受ける時間がないから」(47・4%)、「がんだと分かるのが怖いから」(36・2%)との回答が上位を占めた。

 また、がん治療などのため2週間に1度程度通院しながら働く環境が日本社会で整っているか尋ねたところ、仕事との両立は不可能との回答が計68・9%で可能の計26・1%を大きく上回った。

 厚生労働省の担当者は「がん検診の受診率を上げる方策に調査結果を生かしたい」と強調。「早期発見で治癒し、再び職業人として生活する人も増えている。療養しながら就労が継続できる施策にも力を入れていきたい」と話している。

 未受診理由はほかに、「費用がかかり経済的にも負担になるから」(35・4%)、「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」(34・5%)、「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」(22・0%)などが多かった。

 政府に力を入れてほしい対策(複数回答)では「がん検診」(67・2%)、「医療機関の整備」(54・2%)に次ぎ、50・0%が「就労が困難になった際の相談・支援体制の整備」を挙げた。

 調査は1月に全国の成人男女3千人を対象に面接で実施し、1883人が回答した。