薬局新聞  2月27日(水) 配信


1・2類薬ネット販売再開直後に実績急上昇 ケンコーコム・価格破壊への影響を否定

 最高裁判決を経て行政による規制が難しくなったことに伴い、ヤフーや楽天市場などのモールに出店する店舗をはじめOTC薬のネット販売が活発化している。ケンコーコムは1・2類薬の販売再開後の状況に関し、本紙取材に対して「発毛剤、解熱鎮痛剤などの1類薬や、店頭では購入を憚る方もいらっしゃるデリケートゾーン用薬なども売れている」(広報室)と、具体的な数字は控えながらもネットならではの購買方法で概ね好調に推移しているとした。

 実際、同社が先ごろ発表した1月の売れ筋ランキングによると、一般食品や生活用品など取扱商品すべてを含めた総合データにおいて、ロキソニンSが4位、リアップX5が6位と1類薬2製品がベスト10に入るなど、販売再開直後から一気に売上を伸ばしている様子が窺える。

 1・2類薬の販売再開に対するサイト利用者からの反応について同社は、「1日10件程度の激励の声が寄せられている」とコメント。具体的には『医薬品の取扱いの幅が増えるのは嬉しい』や、『店頭でレジの列に並び、客の目に晒されながらの説明には義務とはいえ抵抗を覚えていた(リアップ客)』といった声が寄せられる一方、「慎重派の方のご意見もいただいており、真摯に受け止めている」と、少ないながらネットによる医薬品販売のあり方に指摘があることも明らかにした。

 また、事実上のネット販売解禁でOTC薬の価格訴求の加熱が指摘される状況に関しては、医薬品ごとの服薬アンケートや適切に購入できるための制限個数の設定、連用が望ましくない薬の申込頻度を薬剤師が確認するシステムの開発といった自社の取り組みを説明。「安全性を担保するための運用・投資を最優先で行っているため、価格面で市場に影響を与えることはない」とするとともに、適正使用を促す観点からも「医薬品については適正な価格で提供すべきと考えている」と回答するなど、価格訴求に否定的な考えにあることを強調している。

 ちなみにリアップX5の同社販売価格は2月下旬時点で7400円(1980円以上は送料無料のため実質送料込み)と定価で、楽天市場上の最安値は送料別6660円となっている。