2012年09月12日

 8月末、厚生労働省が「社会保障に関する国民意識調査」を公表。この結果と、医療者との意見の相違があるか否かを、m3.com意識調査で調べてみました。

 意見の相違があったのは、社会のあり方として「弱者保護か自由競争か」という点(Q3 、詳細な結果はこちら)。下記の通り、医療者ではより競争社会を望む傾向が伺えました。

◆弱者保護か自由競争か
A:弱い立場の人々を保護することが、もっと必要
・m3.com意識調査:医師会員33%、医師以外の会員40%
・社会保障に関する国民意識調査:44.6%

B:自由に競争できる社会にすることが、もっと必要
・m3.com意識調査:医師会員60%、医師以外の会員43%
・社会保障に関する国民意識調査:23.9%

 また今後の社会保障の給付と負担のバランスについても、医師会員の結果と、国民意識調査では傾向に差が見られました(Q4)。

◆今後の社会保障の給付と負担のバランス
A:給付水準引き下げ、負担減もしくは維持
・m3.com意識調査:医師会員49%、医師以外の会員42%
・社会保障に関する国民意識調査:36.2%

B:給付水準維持・引き上げ、負担増
・m3.com意識調査:医師会員47%、医師以外の会員54%
・社会保障に関する国民意識調査:49.7%

 それ以外は、二つの調査に多少の違いこそあれ、大きな傾向の差はありませんでした。m3.comの調査では、例えば、「日本の社会感、該当するものは?」については、医師会員(53%)と医師以外の会員(62%)ともに最も多かったのが、「お金があれば大抵のことが叶う社会」、次いで「学歴がものを言う社会」(医師会員47%、医師以外の会員56%)、「出身大学がものを言う社会」(同38%、40%)など(Q1、複数回答)。

 さて先週末、ある男性が、実在の医師になりすまし、偽造の医師免許証のコピーを使い、東京都板橋区の病院で健診に従事していた問題が発覚(『実在医師を名乗り、約2000人の健診に関与か』を参照)。そこで現在、医師免許証をどう管理しているか、調査を実施しています(質問の性格上、回答は医師に限らせていただきます。ご了承ください)。