共同通信社 6月11日(月) 配信


 【ニューヨーク共同】カナダメディアによると、同国のケベック州政府は8日、日本たばこ産業(JT)の現地関連企業を含むたばこ会社10社に対し、将来分も含む州の医療費負担600億カナダドル(約4兆6千億円)の支払いを求める訴訟を起こした。カナダでは同種の訴訟が相次いでいるが、ロイター通信はこれまでで最大規模としている。

 JTの広報担当者は「事実を確認中でコメントできない」としている。 同州によると、訴えられたのは日本たばこ産業関連企業のJTIマクドナルドのほか、フィリップモリス・USAなど。

 州はこれらのたばこ会社が消費者に自社製品の危険や常習性について知らせなかったほか、広告で子供や思春期の若者を巻き込んだと指摘。1970年から2030年までの州の医療費負担をたばこ会社が支払うべきだと訴えている。

 カナダではこれまでにブリティッシュコロンビア、オンタリオなどの州政府がたばこ会社に対する訴訟を起こしているほか、市民による集団訴訟も起きている。

 8日の記者会見で同州のボルドゥク保健相は「これらのたばこ会社は自分たちが起こしている害悪を知っていた」と企業側の責任を強調した。