重症の無精子症患者から精子採取成功…山口大
読売新聞 1月20日(金) 配信


 自然には精子を作れない重度の無精子症患者から、ホルモン治療と手術によって精子を取り出すことに山口大チームが成功した。英医学誌「ヒューマンリプロダクション」電子版最新号(2月号)に掲載された。

 無精子症は男性100人に1人いる。精子の通り道(精管)に問題がある約3割を除き、精子が作られないか、ほとんどない。この場合、精巣から精子を直接採取する手術を行っても、うち約6割は採取できない。

 同大は、手術で精子が採取できなかった患者48人のうち28人に対し、性腺刺激ホルモン(hCG)を約5か月間注射するなどの治療を行った上で、再度採取を試みたところ、6人(21%)から精子を採取できた。ホルモン治療をしなかった20人は採取できなかった。精子を採取できたうち2人は、卵子と体外で受精させる顕微授精を行い、妊娠に至った。出産例はない。