人口減、過去最大の20万人 出生最少、死亡は最多 11年の動態統計
共同通信社 1月4日(水) 配信


 2011年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは10年より1万4千人少ない105万7千人、死亡数は6万4千人多い126万1千人となる見込みであることが31日、厚生労働省の「人口動態統計の年間推計」で分かった。

 出生数は戦後に統計を取り始めた1947年以降で最少、死亡数は最多となり、出生数から死亡数を引いた「自然増減数」はマイナス20万4千人で、07年以降5年連続の人口減。10年(確定数)の約12万5千人減から1・5倍以上で、過去最大の減少となった。

 厚労省は「死亡は高齢化の影響で今後も増え、若くなればなるほど人口は減っているため、マイナス幅の拡大傾向は続く」としている。

 死因の上位は、例年同様、がん(35万8千人)が最も多く、心臓病(19万8千人)、脳卒中(12万6千人)の順。

 結婚は3万組減の67万組。離婚は1万6千組減の23万5千組。死産は千人減の2万6千人。平均すると、30秒に1人が生まれ、25秒に1人が死亡。47秒に1組が結婚し、2分14秒に1組が離婚した計算となる。

 女性1人が生涯に産む子供の推定人数を示す「合計特殊出生率」について、厚労省は「出生数が減っても、出産世代の女性も減少しているので、11年も10年(1・39)と同程度になるのではないか」とみている。

 人口動態統計は出生、死亡、結婚、離婚、死産について、戸籍法などに基づく市町村への届け出を集計する。

 年間推計は1~10月の速報値を基にしている。11年の死亡数は、東日本大震災の影響で1~10月の増加率が1~12月の通年の増加率より大きくなることも考えられるため、計算上、実際より過大になる可能性もあるという。実際のデータを基にした11年の概数は6月に公表の予定。