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2011年8月1日 提供:共同通信社

 日本移植学会(寺岡慧(てらおか・さとし)理事長)の理事会が31日、都内で開かれ、生体腎移植をめぐる臓器売買事件を受け、腎臓と肝臓の移植手術を実施する延べ約230の医療機関を対象に、過去5年間の養子縁組の親族間による生体移植の有無などについて、実態調査することを決めた。

 同学会の倫理指針は、生体移植の臓器提供者を原則親族としているが、患者である医師と暴力団組員が絡む今回の事件は、養子縁組を悪用したとみられる。同学会は養子縁組の移植は把握していなかった。ほかに病院の倫理委員会の審査体制も調査する。

 理事会は倫理指針改定も議論したが、養子縁組から臓器提供まで一定年数の経過を求めるなど要件を強化するかどうかについて、緊急を要する移植の機会を妨げるとの懸念もあり、意見はまとまらなかった。

 このほか現行の指針では、親族以外の移植の場合のみ、病院は学会の倫理委に意見を求めるとされているが、養子縁組など親族間の移植でも、倫理委に相談できると改定する方針。指針は10月の改定を目指す。

 また事件について「非倫理的かつ違法な移植の根絶に向け、学会はあらゆる方策で全力を尽くす」とする理事会声明を発表した。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/08/01/140007/?portalId=mailmag&mm=MD110801_XXX