「それいいね」と延命への「口実」に飛びつく首相 小沢氏は泡盛飲みながら「早晩退陣だ」





「1・5次」補正予算案の編成に、新たな法案成立への意欲…。菅直人首相が退陣というゴールテープの前に、次々とハードルを置いている。いったいどこまで走り続けるつもりなのか。「政治空白」の長期化を懸念する与野党議員は、呆然(ぼうぜん)と立ち尽くしている。



 「それいいね」



 首相は今月上旬、民主党幹部から「被災地の漁業を再開するには氷が必要だ」と助言されると、即座に反応した。



 11日に岩手県釜石市を視察した際にも「氷の問題」を強調。そして14日の閣僚懇談会で、この問題も含めた追加的な震災復旧策を盛り込む「1・5次」補正予算案の編成を打ち上げた。野田佳彦財務相にすら根回しなしの“独走”だった。



 14日の参院東日本大震災復興特別委員会では、太陽光など再生可能エネルギーの取り組みにも並々ならぬ意欲を示した。



 2日の民主党代議士会で退陣表明したはずの首相だが、むしろ以前にも増して精力的なところを見せている。復興基本法案、特例公債法案、被災地のがれき撤去…。連日のように“決意表明”を続ける。



 「近々、辞めるのに何を頑張ろうとしているのか。生きているか死んでいるか分からない最高指導者が次々と構想を出せば、かえって混乱と不幸を呼ぶ」



 この日の震災特別委で、自民党の丸山和也氏は執(しつ)拗(よう)に早期辞任を勧めたが、首相は財政再建と社会保障の立て直しを挙げ、続投への意欲を示した。



 みんなの党の松田公太氏から政治空白の責任を問われても、動じなかった。 



 「私が辞めると言って原子力事故が収束するのなら、すぐにでも辞める」



 「いつ辞めようと思っていたとしても公にはしないし、前日に決断することもある」



 内閣不信任決議案の否決で「信任」を受けたと言わんばかりに、首相は強気な発言に終始した。 



 もっとも、野党は菅首相の下では復興基本法案などを除く法案の審議を拒否する方針で、国会運営の見通しは立たない。民主党は14日、自民党に会期の大幅延長を打診したが、首相が居座り続ければ、2次補正成立は「かえって遅れる」(渡部恒三最高顧問)。首相の存在が復興の妨げになっているのは明らかだ。



 「菅首相は最後の粘り腰で粘っているが、早晩退陣するだろう。次は代表選が重要だ」



 小沢一郎元代表は14日夜、都内の自邸に側近議員を集め、泡盛を飲みながらつぶやいた。(岡田浩明、斉藤太郎)







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