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2011年5月23日 提供:毎日新聞社


CR容器:子どもの薬誤飲防止、試験導入 都、薬局で効果検証 /東京

 ◇簡単には開かない工夫

 液体の薬を子どもが誤飲するのを防ごうと、都は子どもが開けにくい工夫がされた容器の普及、啓発を目指す。まずは夏以降、試験的に薬局で取り扱ってもらい効果を検証する予定だ。【田村彰子】

 試験的に導入されるのは、「チャイルドレジスタンス(CR)容器」。ふたを下に押しながら回したり、つまみながら回したりしないと開かない工夫がされている。都は都薬剤師会などと協力してモデル地域を設定し、薬局でCR容器を扱ってもらう。容器の代金は都が全額負担するという。

 都の10年7月の調査で、わが子が医薬品を誤飲したり、しそうになったりした経験がある0~6歳児の保護者は、2000人中493人に上ることが分かっている。有識者らで作る「都商品等安全対策協議会」は、同年10月から医薬品の誤飲防止対策の一つとして、甘みや香りで子どもが積極的に飲みたがるうえ、錠剤に比べて対策が取りやすいという液体の薬の容器について協議をしていた。

 協議会は、CR容器に関するアンケートを実施。約7割の保護者が容器の存在を知らなかったが、「必要を感じる」「やや必要を感じる」は9割に上った。都への提言では、容器の導入モデル調査の実施や積極的な利用促進を挙げた。

 都によると、薬局や病院で処方される液体の薬には、CR容器の普及が進んでいないという。コストが割高になるという問題もあるが、都の担当者は「社会全体で安全なものを選べる仕組みをつくっていければ」と話している。

〔都内版〕

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/5/20/136887/?portalId=mailmag&mm=RD110527_XXX&scd=0000336193