2011年03月29日

  東日本大震災では、地震や津波による外傷だけでなく、避難所生活における災害関連疾患や既往症への対応の重要性が増しています。

 これら臨床に役立つ論文を無料で公開し、被災者の救援活動を「情報」の立場から支援する動きが広がっています。例えば、NEJMでは、日本からのオンラインアクセスを2011年5月1日まで無料で使えるようにしています。米国医学図書館NML(National Library of Medicine)も、2011年4月8日まで同様に無料公開。

 日本国内でも、「Medical e-hon」が、9つの出版社の協力を得て「災害医療」関連49コンテンツを、医学中央雑誌(医中誌)では医中誌Webを、医学書院では「今日の診療プレミアムWEB版」を、いずれも2011年4月30日まで無料公開しています。

 さらに、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻のグループでは、コクラン共同計画(Cochran Collaboration)の正式許可を得て、震災などに伴う健康障害の予防・医療に関する情報を含む同計画のエビデンスエイド(2004年12月のインド洋津波災害の後に開始されたプロジェクトによる)の翻訳および公開を開始しています。

 m3.comの「震災関連サイトリンク集」( http://www.m3.com/iryoIshin/article/133728/ )では、臨床に役立つリンク集を作成していますので、ぜひご活用ください。


【震災関連で論文等を無料公開している主なサイト】

◆NEJM  ( http://www.nejm.org/page/about-nejm/japan )
 日本からのオンラインアクセスを2011年5月1日まで無料公開(購読者以外でもフルテキストの閲覧が可能、ただし1989年以前の論文は除く)

◆米国医学図書館NML(National Library of Medicine) ( http://eai.nlm.nih.gov/docs/captcha/test.pl?url= )
 2011年4月8日まで無料公開(Emergency Access Initiativeサイトにアクセスし、提示される文字等を入力してログイン)

◆Medical e-hon  ( http://www.me-hon.ne.jp/meb/bin/pickup_report_desc.asp?shotenCd=SM301&userId=b78328446c3d68d3faa4 )
 2011年4月30日まで、「災害医療」関連49コンテンツを無料公開(無料ダウンロードには、Medical e-honの無料の会員登録が必要)

◆医中誌Web ( http://www.jamas.or.jp/news/news26.html ) 
 2011年4月30日まで、被災地で医療・救助活動に従事する医療従事者に向けに無料公開(東北地方太平洋沖地震の被災地で、医療・救助活動に従事する医療者が対象。IDとパスワードの発行手続きが必要)

◆医学書院 ( http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/311care_kon.html )
 2011年4月30日まで、「今日の診療プレミアムWEB版」を無料公開(サイト上で、IDとパスワードを入力して閲覧)

◆東北地方太平洋沖地震による健康障害の予防・治療に関する学術情報リソース ( http://www.server-system.jp/resource/ )
 京都大学のグループによる、コクラン共同計画(Cochran Collaboration)のエビデンスエイドの翻訳・公開。