一般医療ニュース
2010年11月17日 提供:読売新聞




地裁姫路支部、損害賠償請求を棄却

 兵庫県内の1歳9か月の男児が2008年、こんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせて死亡したのは製品の欠陥が原因として、男児の両親が、製造した「マンナンライフ」(群馬県富岡市)などを相手に、製造物責任(PL)法などに基づき約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、神戸地裁姫路支部であった。

 中村隆次裁判長は「通常有すべき安全性を備えており、PL法上の欠陥はない」として、原告側の請求を棄却した。同様の事故を巡る司法判断は初めて。

 判決によると、男児は08年7月29日、凍らせたこんにゃく入りゼリー「蒟蒻(こんにゃく)畑マンゴー味」をのどに詰まらせて意識不明の重体となり、同年9月20日に多臓器不全で死亡した。

 訴訟で原告側は、ゼリーの大きさや硬さについて製品の欠陥を主張したが、中村裁判長は「硬さなどはこんにゃく自体の特性で、欠陥とは言えない」と退け、さらに「08年当時、ゼリーの危険性は事故報道などを通じて一般の消費者に広く認識されており、外袋には警告表示もされていた」と述べた。

 判決後に記者会見した原告側の弁護士は「一般消費者がゼリーの特性を認識していたとの認定は間違いで、不当な判決。原告と相談して控訴するか決めたい」と話した。

 国民生活センター(東京)によると、こんにゃく入りゼリーによる死亡事故は1995年から全国で22件発生し、08年に起きた今回の事故が現時点で最後の死亡事例。消費者庁は現在、形状や硬さの改善につながる指標づくりを進めている。一方、内閣府の消費者委員会は今年7月、「事故防止のため、広範囲に対応できる法整備の検討が必要」と提言している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/17/128439/?Mg=7ad8badc6d1897645b6321ed3d11aace&Eml=84efd35f72e1ddac427f95699de9f9d8&F=h&portalId=mailmag&mm=MD101117_XXX