約3年前の春、私は異様に太って100㎏をこえた。内科医は肥満だ食べ過ぎだとしか言わず、とりつく島もない。

ある夜、あまりにも苦しくて、救急車を呼んだ。救急隊員が来てくれてその後、記憶が途絶えた。

長い長い長い、夢の中にいた。何度も何度も、水で死ぬ夢。

意識不明の昏睡で、病院には夫もきょうだいも、私の幾度もの危篤を告げられて、頻繁に「最期かも」と足を運んだ。

ある日、呼吸器が外された。意識が戻った私には世界がとてもキラキラと輝いて見えた。生まれ変わった人のように。

やつれた夫が、私の側にいてくれた。

水腫は、肺だけでなく、全身の浮腫だった。

入院の間に全身の水分が抜けて、体がぺしゃんこになった。

ずっと絶食で、筋肉も落ちて、歩けなくなった。

個室から一般に移り、リハビリ転院を持ちかけられた。私は絶対断る、この病院から自力で歩いて退院すると泣いた。

歩く練習の始まる前は、車いす移動だった。足のリハビリが始まり、食事も食べられるようになった。

ベッドでじっとしている間、ずっと、ずっと、胸中題目をあげていた。夫に、お仏壇の水を毎日替えるよう頼んで、そうしてくれた。やがて歩けるようになった、転院なしで。

担当医に、6月末日には退院したいと、決意を伝えた。少し検査と手術があってのち、6月25日に退院が決まった。

退院の日に、夫もきょうだいも、迎えに来てくれた。私は杖はついたが、自分の足で病院の外に出た。自宅に帰るためのタクシーに、乗って帰宅した。

3年近く経つ。もう心不全も肺水腫も無い

誰の何が正義か、分かるだろう

創価学会、万歳❗

 

(馬場 能子)