9月半ば、領土問題をきっかけに中国各地で吹荒れた反日デモ騒ぎから、もうすぐ一か月。
私の周りではまるで何もなかったかのような日常が送られています。
必要な時に家からでて買い物にいける。
学校で予定通りに授業をおこなうことができる。
サッカーチームの練習ができる。
当たり前のことが当たり前にできることのありがたさを感じます。
(11日に上海の飲食店で日本人4人+中国人1人のグループが、「日本人か?」と難癖をつけられ、
3人の負傷者が出たとのニュースがありましたが・・・。)
けれど、私にとってここ中国に住むということは、9月以前と以後ではまったく違うものになりました。
この国が内側に抱えるいろいろな事情について考えるきっかけを与えられて、
今まで気付かなかったことに気付かされました。
たとえばこの国の人と結婚して一生をここで暮らそうとか、ここでゼロからビジネスを始めようとか、
そういった人達は当然相応の覚悟を持ってこの国にやってきているはずです。
日々の地道な積み重ねの中で、数年に一度煽られる反日感情の中でも揺るがない
中国人との友情を育んできた人。
あるいは積み重ねてきたものを数年に一度壊され続けても、
この国での生活に希望を捨てずに頑張る人。
本当にすごいと思います。そういった方々の努力は報われるべきだと心から思います。
一方私の場合、しがない駐在員家族。
この国の健やかなる時も病める時もすべてを受け入れようなどという覚悟は
残念ながら持ち合わせないまま来てしまいました。
数年経ったら日本に戻る身で、この国をどうこう言う資格は、はなからない立場ですが、
少なくともせっかく得たこの機会に、できるだけこの国を知りたい、言葉も勉強したいと、
前向きな好奇心を持って生活をしてきました。
この国が好きとかきらいとか、
反日だから良くない、親日だからいいとか、そんな簡単に割り切れるものではないし、
何が正しくて何が間違っているかなんて一方的に決めることではないです。
けれど、単純に、普通の人として、
外出のたびに子供たちに大きな声で日本語をしゃべらないように注意したり、
タクシーをとめる度に緊張したりする生活は、やっぱりいや。
安心して生活したい。ただそれだけです
そういう意味で、今の私はこの国に暮らしてゆくのに必要な好奇心や自信のようなものを
徐々に失くしつつあります。



先日乗ったタクシーの運転手さんに、「日本人か?」と聞かれ、
一瞬ひるんだものの、それまでフレンドリーに会話を交わしていたのもあって、「そう」と答えました。
すると、彼は楽しそうに、
「日本語3っつ知ってるよ。モシモシと、コンニチハと、えーと、アリガトウ!日本人は礼儀正しくていいよね!」と。
「中国人も、いい人たくさん会ったよ。」
と言うと、急に表情を曇らせてこう言いました。
「中国人はだめだよ。」
自分の無責任さを恥ずかしく思い、そして余計なお世話かもしれませんが、
彼のような人間が中国人であることを心から誇りに思える日が来るように願いながら、車を降りました。



以前紹介した友人のブログにも記事が載ってます。
http://www.isidorsfugue.com/2012/10/signs-of-hate-and-japanese-mother-ready.html