この話はある愛護センターで働く職員さんの話です。
その方は動物が大好きでセンターの仕事に就き、もう20年近く関係部署にいらっしゃいます。
途中精神的に参ってしまい休職された時期もあったそうです。
実際にお会いしてお話しました。
とても真摯に動物愛護行政に取り組んでいる方でした。
SNSで見た情報を基にまるで全てを知っているかの如く、ただ単に叩きやすいサンドバッグとして行政を叩く人間もいるし、自分たちに支持を集める目的で行政を敵にする愛護もいます。
もちろん行政の中には後ろ向きな行政が存在するのは事実です。
でも、間違いないのは一番の悪者は僕たち市民です。
行政を変えたいのならば自ら現場に足を運び職員の人たちの目を見て、話を聞いて、自分に出来る事を冷静にやるしかない。
この話の方とは別のセンターの職員の方の言葉です。
「冨士岡さん、こんなんじゃいけないと思うんですが、処分せざるを得なかった日は一日なんか力が抜けて仕事に集中出来ないんです。本当はそれじゃダメなんでしょうが、、、」
ある男の話。
センターで働く男。
今朝も野良猫たちが収容された。
産まれたばかりの仔猫たちだ。
ボロボロのこの子たちは譲渡出来るまで成長する事なくまたセンターで死ぬのだろう。
ミルクボランティアの所に行ったとしても、ほとんどが死ぬだろう。
ボランティアもいっぱいいっぱいだ。
また俺の目の前でこの子たちは死ぬだろう。
仔猫たちが居た場所。
あのおばさんだ。
何度あそこへ足を運んだ事だろう。
「餌をやるのならばきちんと命に責任持って下さい、不妊手術をお願いします」
助成金の話をしても、「あんたたちは殺処分ゼロが仕事だろうが❗」そう怒るばかりで話を聞こうともしない。
昼休みが終わると「明日引っ越しなんですよ、もうどうしようもないんです。ここで引き取って下さい❗」そう言って男が犬を連れて来た。
こいつは何を言っても聞きはしない。
無理矢理説得したら必ずこの子を捨てる。
引き取って譲渡した方がいい。
この犬ならまだ若いし、新しい飼い主が幸せにしてくれるかも知れない。
犬を置いて行った男の背中が笑っている様に見えた。
あいつはまた笑いながらペットショップで仔犬を買うんだろう。
センターの前で拡声器で叫んでる連中がいる。
またあいつらか、、、
「殺すな❗犬殺し❗猫殺し❗」
「ゼロだ❗殺処分ゼロ❗」
何にもわかっちゃいない連中。
ペットショップでバンバン仔犬を買っちゃ捨てる飼い主たち。
可愛い、癒される。
そう言って犬を殺してるのは飼い主だ。
不妊手術の大切さなど知ろうともせずに「大切な命❗」そう叫んで野良猫たちで自分の心の隙間を埋めている人たち、仔猫たちを殺してるのはあの人たちだ。
俺に何が出来るんだ。
ゼロなんて言うな❗
無責任なのは誰なんだ。
犬と猫たちを殺してるのは誰なんだ❗
疲れた、家に帰って犬の散歩に行こう。