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香川県内で個人でできる範囲でわんこ・にゃんこNIJI.NETとして保護活動(停止中)、動物愛護推進員てして啓蒙活動をしています

保護わんこ&ペットとの暮らし

本当のゼロ。

A町は殺処分ゼロを達成しようと資金を投入し、民間の保護団体の協力を得て、大きなシェルターを建設しました。
センターから処分対象の犬猫をその大きなシェルターに移動させて新しい飼い主を探す形にしたので、新しい飼い主がなかなか見つからなくてもすぐに「ゼロ」は達成されました。

A町は「ゼロだ、ゼロだ」と宣伝し、資金を集めました。

「ゼロ」は全国から喝采され、更に多くの資金が集まりました。

その資金で次々とシェルターを作る事でA町は「ゼロ」を続けようとしました。

でも、町の住民の意識は以前と変わらぬどころか、「殺処分されないのだから」と安心し、センターへ収容される犬と猫の数は変わりませんでした。

相変わらず不妊去勢をしない為に産まれた仔犬と仔猫たちは遺棄され、シェルターは常に満杯で、新しい飼い主に巡り合えないたくさんの犬と猫たちは「家庭」の温かい愛情を知る事なく、シェルターの中でその一生を終えていきました。

やがて新しいシェルターを作る資金も底を付き、「ゼロ」は途切れてしまいました。
そしてA町はどうやって新たな資金を得るのかを考え続けます。

一方B町では、同じ資金を不妊去勢の補助や、飼い主への啓発に使う事にしました。

センターには多くの犬と猫たちがいたので、簡単には「ゼロ」は達成出来ません。
処分せざるを得ない状況が続き、その事に対して町役場には多くの批判が寄せられました。

センターに入って来る犬や猫たちは無責任な飼い主や業者たちが原因でそうなってしまうのに人々は処分する町を責めたてたのです。
だから寄付もなかなか集まりませんでした。

でも時間が経つと地道な啓発の成果が表れ始めました。

不妊去勢の徹底により、センターに収容される仔犬や仔猫の数がどんどん減って、飼い主の意識向上により飼育放棄も減り始めました。

それだけではなく、その町では地道な啓発活動により、様々な立場の人たちが自分の職業やパーソナリティを活かして自分たちに出来る事を始めました。
学校の先生は授業で命の尊さを子供たちに教え、ドッグトレーナーの人は飼い主へ適正飼育とは何かを伝え、イラストレーターや写真家の人たちはその技術を活かして啓発を行い、町内会長は野良猫の問題を地域の問題として取り組みました。

そして収容数が徐々に減っていったおかげで、センターに入った犬と猫たちの殆どが新しい飼い主に出逢え、彼等は温かい家庭の中で飼い主のたくさんの愛情に包まれてその一生を過ごす事が出来ました。

そしてB町ではいつの間にか「ゼロ」が当たり前の事になりました。

本当のゼロとは?