松浦弥太郎さんの


軽くなる生き方


第3章「自分の根っこ」を見つめ直す


何歳になっても、どんな仕事や立場だろうと、
「初々しさ」は必要だ。

若さと初々しさは、イコールではない。
まだ駆け出しの新人なのに初々しくない人もいれば、経験を積んだベテランでもなお、初々しい人もいる。

「初々しさを忘れたらおしまいだ」
と、僕は思っている。
決して手放してはならないものは初々しさだと、自分にときどき念を押す。


きちんとあいさつする。
きちんと返事をする。
初めての気持ちを思い出して、ていねいに取り組む。

小さかろうと大きかろうと、目の前のことを一生懸命にやる。
新しいことに出会えば喜び、がんばりたいという気持ちを素直に表す。


そうすれば、毎日の繰り返しで埃をかぶっていた初々しさが、もう一度輝き出す。
そうすれば、しめたもの…慣れっこのはずのものがふたたび、
新鮮になるはずだ。


ごくあたりまえでささやかなことだが、これがないと本気で向き合ってくれる人など、誰もいないと信じている。


すべての始まりは、「初々しさ」から…。
たとえ虫ピンの先ほどの小さなものだろうと、一つのチャンスはたいてい次のチャンスにつながっている。

どんなことでも頼まれた時点で、すでにチャンスなのだと僕は思う。


誰よりもおいしいお茶を出してくれる人に、好意をもたない人など、いつかもっとなにかを任せたいと思わない人など、いるだろうか?






ここの部分も
何回読んでも惹かれます。