空の海に差す光を遮るように

浮遊する物体があった。


遠目には緑色の球体で

表面に苔が生えているような

大きなマリモが浮いているような。


後に分かることだが

それは球体状の陸地の中心に向かって

根を張る樹木の群生体であった。


そんな、わずかな重力をもった

無数の陸地が

星空の様に空に浮かんでいる


そんな景色を覚えている。