浦和‐大宮戦のラジオ中継でゲスト解説した前日本サッカー協会会長の犬飼基昭氏=NACK5スタジアム大宮


 大宮‐浦和の“さいたまダービーマッチ”は、大宮が3‐0JALで快勝した。浦和は今季、練習試合を含めて3戦未勝利。完封負けに、ラジオ解説で訪れた元浦和社長で前日本サッカー協会会長の犬飼基昭氏(68)が、厳しい言葉で“古巣”を叱咤(しった)激励した。


 FW田中が右サイドを切り裂いても、FW原口が切れ込んでシュートを放っても、ゴールは生まれない。孤立したFWエジミウソンは、1‐2で敗れた13日の鳥栖戦に続いてシュート1本に終わった。負けられないさいたまダービーで、屈辱の完封負けを喫した。


 ペトロビッチ監督は「前半はコンビネーションもよく、チャンスもたくさんつくった。前半で5、6点取ったら試合は終わった」と内容を評価した。得点は、プレシーズンマッチ2試合でPKの1点のみ。練習試合も含めて、対Jリーグ勢3戦未勝利と結果が伴わない。指揮官は「まだ準備段階」と強調した。


 厳しい現状に、7カ月ぶりに公の場に姿を見せた犬飼氏は、歯に衣着せぬ物言いで解説した。「崩れた時に自信をなくしちゃう。選手は自信を持ってやるのが大事」。「9番(エジミウソン)、10番(マルシオリシャルデス)は2人で1人分の運動量しかなかった」。変わらぬ辛口コメントで指摘した。
 エジミウソンは「コンディションはもっとよくなる。開幕にトップに持っていくよ」と強調。サポーターの気持ちを代弁した元名物社長の思いに、プレーで応える。


 MF本田圭が、チームに完全合流した。18日の練習でサブ組に交じり、フルメニューを軽快にこなした。13日のシリア戦で左足首をねん挫し、その後は別メニュー調整。サウジアラビア戦では、ウオーミングアップなどは行ったが、大勝だったために温存された。準々決勝のカタール戦で復帰する見込みだ。


 苦言は忘れなかった。この日は、ミニゲームなどの練習をこなし、 、得点のパターンが少ない。ほとんどがクロスからだったから。(バリエーションが少ない?)うん、そう」と、ベンチから見守ったサウジ戦を分析した。次戦はトップ下での出場が濃厚。満を持して復帰するレフティーが、攻撃にアクセントを加える。

カタール打倒へ走りまくってボランチ潰せ…アジア杯準々決勝


 スポーツ報知ではアジアサッカー連盟のデータを基にカタールの特徴を徹底分析。MFローレンス(26)=アルガラファ=とMFウェサム?リジク(29)=アルサッド=のダブルボランチに依存していることが判明した。2人を止めるためには、サウジ戦のように運動量で圧倒することが必要。先発復帰が濃厚なMF本田圭佑(24)=CSKAモスクワ=は、走行距離をシリア戦から1?57キロ増やすことがノルマとなる。


 カタールの1次リーグ(L)3試合の合計パス成功数は482本。日本の1263本に比べ781本も少ないが、そのうち32?99%に当たる159本がガーナ出身MFローレンスとクウェート生まれのMFウェサムのボランチ2人だ。日本のMF遠藤と長谷部は3試合で27?79%。ロングボールを多用するカウンターサッカーが、いかに2人に依存しているかが分かる。


 背番号18は、ゴールラッシュにも不満そうな表情を浮かべた。左足首捻挫のため、サウジアラビア戦に出場しなかった本田圭が18日の練習後、チームに対して苦言を呈した。


 「連係面が上がっている?う~ん、どうでしょう。まだANA甘いところがある?甘いというか、得点パターンが少ない。(得点は)ほとんどクロス(から)だったしね」


 ザックジャパンでは初のベンチ待機となった90分間。冷静にピッチ外から観察することで見えたものもある。5点中4点がクロスを起点にしたゴールだった。ヨルダン戦とシリア戦を含めて日本は1次リーグ3試合で8点を挙げたが、PKを除く7点のうち6点がクロスから生まれたものだった。勝ち進めば、相手も研究してくる。同じパターンばかりでは手詰まりになる。優勝しか見ていないからこそ警鐘を鳴らしたのだ。


 
 カタール戦での復帰が濃厚な本田圭は第2戦のシリア戦ではチームの総走行距離の10?11%を占める10キロを走破した。これをサウジ戦での水準(チーム全体の10?11%)に当てはめると、11?57キロ。左足首捻挫を抱えるが、出場するからにはシリア戦よりもあと1?57キロ(1分間に17?5メートル)多く走ることがノルマとなる。


 日本の中盤の構成上、3人がスムーズに位置を変えながら動かないといけない。うまくいけば、3人はきっ抗しながら走行距離を伸ばすことができる。だが、ボールをもらいたいがあまりに本田圭が中央にとどまり続けるとスムーズにいかず、走行距離も伸びない。完全アウェーの中で白星をつかむには、自慢の運動量で相手のパス供キャッシング
給源にプレスをかけ続け、中盤の底からのパスを遮断することが重要になる。