昨日の夕方のこと、だいぶ涼しくなって快調に走っていると高速の高架の上に薄オレンジ色に染まった空が広がっていました。

 

「きれいだな~」

 

毎日毎日エアコンの効いた部屋の中でPCに向かっているとだんだん暗くなってくる。

 

考えることは・・・・

 

「何食べようかな~」

 

「暑くて運動する気にならないけど、ダイエットしなきゃな~」

 

汗をかかずに何とか痩せる方法はないかとネットで

 

「痩せる食事・・・・太らない食べ物ランキング」

 

とまあくだらないワードを検索しては、いらない情報をメモリ領域がパンパンの脳みそに押し込んでいく。

 

 

 

夕暮れの雰囲気は子供のころから大好きだ。

 

ひぐらしがすさんだ心を癒してくれる。

 

トキ色に染まったうすオレンジの空が、少しだけ残っている青い空を覆っていく。

 

 

「今日はあそこで折り返そう」

 

額から流れる汗をTシャツをまくり上げて拭く。

 

高架の下で折り返すと、街道増を流れる小川の音に意識を傾けた

 

2メートルを超える萱が倒れて水面を、水の流れにまかせてゆらゆらと揺れている。

 

小川に架かった小さな橋の向こうには、裾野を白湯に長く延ばし白い雪帽子をかぶった富士山のような雲が浮かんでいた。

 

・・・・・ように無理やり脳からの指令が来た。

 

「ほら!富士山に見えるでしょ?」

 

夕暮れの散歩を楽しむ初老のご封を捕まえて、スマホで撮った写真を見せる。

 

「あらほんと!」

 

愛想笑いの旦那様の後を追い、奥様は白い子犬に引っ張られこちらに軽く会釈をして歩いて行った。

 

「新しいスマホが欲しいな」

 

ふうっとため息をついて、ゆっくりと走り出した。