ダルフールで中国は直ちに行動を=米下院議員が胡主席に連名の書簡


【ワシントン9日】米下院外交委員会のラントス委員長(民主)ら100人以上の下院議員は9日、中国の胡錦濤国家主席に対し、スーダン西部ダルフール地方の流血の惨事をやめさせるため直ちに行動するよう求める書簡に署名した。ラントス委員長は同地域で残虐行為が続いていることに重大な懸念を表明するとともに、中国はスーダンに対する最大の投資国として、影響力を行使できると注意を喚起した。(写真は親スーダン政府の民兵組織ジャンジャウィードに焼き払われたダルフール地方の村、2004年撮影)
 同書簡は「国際社会は責任を強化しているが、もし中国が、最良かつ最も妥当な和平への道をスーダン政府が受け入れるよう自国の役割を果たさなければ、歴史は貴国がジェノサイド(大量虐殺)を支援したと判断するだろう」と述べている。書簡はさらに、「もし中国がスーダンを抑えるためさらに行動しなければ、2008年の北京オリンピックに先立って、中国のイメージは損なわれよう」と警告している。
 ラントス委員長は、もし中国が自国の役割を果たさなければ、「ジェノサイド・オリンピック」の主催国として永遠に知られる危険を冒すことになると述べた。今月になって米上院も、中国に対して同様の警告をしている。この中で上院は胡主席に対し、ダルフールでの軍事活動の停止をバシル・スーダン大統領に促すよう求めている。 〔AFP=時事〕


http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_int&k=20070510012344a


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「中国はダルフール虐殺を支援」 米下院108人、五輪ボイコット警告


【ワシントン=古森義久】米国議会下院の議員108人が9日、中国の胡錦濤主席あてに書簡を送り、スーダンのダルフールでの虐殺を続ける勢力への支援の停止を求め、中国側が十分な対応をしない場合には2008年の北京五輪のボイコットにもつながると警告した。同下院では有力議員が8日にも本会議で同じ理由により北京五輪ボイコットに同調する演説をしており、米議会での対中非難が高まってきた。

 胡主席あての書簡は下院外交委員長のトム・ラントス議員らによって署名され、「ダルフールではスーダン政府と同政府に支援された民兵組織により民間人数十万が虐殺されているが、中国はスーダン政府に巨額の援助を与え、武器を売却し、虐殺を阻止するための措置をとっていない」と述べ、中国政府が事態を放置する場合は北京五輪に重大な支障が起きて、その催しが「ジェノサイド(大量虐殺)五輪」になってしまうとして、北京五輪のボイコット呼びかけの可能性をも示唆した。

 ダルフール虐殺に関しては下院の8日の本会議でも共和党の有力議員アラン・ウルフ氏が中国政府の「共犯」を非難して、北京五輪ボイコット運動への同調を表明する演説をした。ウルフ議員は有名女優のミア・ファローさんの北京五輪阻止論を紹介し、「中国は『一つの世界、一つの夢』というスローガンの下に北京五輪開催の準備を進めているが、ダルフール大量虐殺という『一つの悪夢』が存在するのだ」と述べた。

 同議員が紹介したのはファローさんが現地の視察を下に3月28日付ウォールストリート・ジャーナルに「ジェノサイド五輪」と題して発表した論文。同論文は「ダルフールではすでに40万人が殺され、250万が居住区から駆逐されたが、中国政府はその実行者であるスーダン政府を全面支持してきた」と中国を非難し、その詳細として(1)中国政府は国有の中国石油を通じてスーダンの石油の大部分を買い、スーダンの石油生産企業集団2つの最大株主となっている(2)スーダン政府は中国との石油取引からの収入の80%以上を虐殺を実行するアラブ人の民兵組織「ジャンジャウィード」用の兵器購入にあてている(3)同民兵組織やスーダン政府軍が使う爆撃機、攻撃用ヘリ、装甲車、小火器などの兵器はほとんどが中国製(4)中国は米英両国が推進する国連平和維持軍のダルフール派遣に一貫して反対してきた-と報告した。

 ファローさんは同論文の中でとくに「中国政府は人権弾圧で国際的非難を浴びることには平然としているかもしれないが、北京五輪の開催だけは最重視するので、そのボイコットの動きには最も敏感となるだろう」と論じた。ウルフ議員もこうした趣旨を紹介し、自分自身の北京五輪開催への反対論を明確に打ち出した。


http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070511/chn070511001.htm


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やっと、盛り上がってきましたな


黄 文雄
中華帝国の興亡―「歴史の罠」から抜け出せない隣国