なぜだ!社保庁ボーナス満額…34.6歳で62万円
「消えた年金」問題で、国民の怒りが津波のごとく押し寄せている社会保険庁。次々とデタラメぶりが暴露されているが、何と、同庁職員は今年夏のボーナス(賞与)を満額受け取る方向であることが21日、夕刊フジの取材で分かった。その額、平均34.6歳で約62万円といい、単純計算で総額約105億円。民間企業では考えられない非常識で恥知らずな対応。この組織はどこまで国民をバカにするのか。
「責任の所在が明らかになっていないので、期末・勤勉手当(=民間でいうボーナス)については、返納するかどうかも含めて方向性は決まっていない」
社保庁職員課の担当者は夕刊フジの取材にこう答えた。
同庁職員がボーナスを受け取るのは、毎年6月と12月のそれぞれ月末。今後、政府の第3者機関によって社保庁の問題に対する調査が行われる予定だが、結果が出るのは先になるため、冒頭の職員の返答は事実上、「今回は満額受け取る」という宣言にも等しい。
国民の大切な年金記録をコンピューターに入力した際、膨大なミスを発生させたうえ、手書き台帳の多くを破棄してしまった社保庁。5000万件もの年金記録を宙に浮かせ、国民を不安に突き落としただけでなく、照合作業には1000億円もの費用がかかる(大手生保試算)とされる。
これが民間企業の不祥事ならば、社長以下幹部のクビが飛んだり、給与・報酬やボーナスがカットされるのは当たり前。
例えば、三菱東京UFJ銀行は今年3月、財団法人をめぐる業務上横領事件に関連し、会長と頭取の役員報酬を3カ月間、40%減額したほか、退職した元会長や元頭取ら9人にも半年分の報酬(在任時)の50-40%に相当する額を返還するよう求めた。
関西テレビも「発掘!あるある大事典II」の捏造問題に関連して先月、全役員の今年度の賞与を全額返上するだけではなく、管理職は20%、一般社員は10%と、全職員のボーナスをカットすることを決めた。
民間だけではない。大阪府は財政難を理由に2001年12月から知事30%、副知事15%、出納長10%のボーナスカットを実施しているが、一昨年夏のボーナスから特別職や一般職員も10-4%カットしている。
社保庁職員が休日返上で年金相談に当たっていることは知っているが、それもいわば自業自得。不祥事を起こした組織が自らペナルティーを科すのは、社会の常識ではないのか。
ちなみに、社保庁職員の給与は国家公務員と同じ計算で算出され、原資はもちろん税金だ。
総務省の人事・恩給局が昨年発表した資料によると、管理職を除く一般職国家公務員の賞与支給額は給与月額の2.11月分で、平均34.6歳で約62万2000円。長官は事務次官クラス(約311万円)と局長クラス(236万円)のほぼ中間といい、275万円ほどを受け取る計算になる。今年も昨年と大差ない見通し。
同局は「19日現在、(社保庁の)どこからも期末・勤勉手当の一部なりを返上する、という話は聞いていない。こちら側から『支給しない』と言い出す法律もない」としており、社保庁職員が“平気の平左”でボーナス満額を受け取るのは間違いないようだ。
あまりに非常識な対応に作家の麻生千晶氏は「45分働いて15分休むような人たちは、全員返納してグリーンピアの損失や消えた年金の穴埋めをすべき。ボーナスをもらって当然なんて、あまりにも当事者意識がない。度しがたい鈍さだ」と怒り心頭に話す。
労働基準法では「賞与とは定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるもの。その支給額があらかじめ確定していないもの」と定義されている。
社保庁職員は、自らの「勤務成績」について、胸に手を当てて考えてはどうか。恥を知るべきだ。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_06/t2007062133.html
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