先日、エチオピアへ行ってきました。
中国からの盛んな投資などもあり、目下GDPが急伸中のアフリカの高成長国と言ったイメージですが、少し前までは飢餓に苦しむ最貧国の一つと言うイメージしかありませんでした。実際はどうなのか?自分の目で確かめて来ました。
エチオピアの首都であるアディスアベバの中心部は、現在建設ラッシュで新しい商業ビルや高層住宅などを中心とした民間工事と、道路などのインフラの公共工事が共に盛んです。
しかし、注意深く小さな市街地を一周すると、矛盾と不公平がたくさん見えて来ます。
あの大手ホテルチェーンのシェラトンでしょうか?
日本の工事現場と比べると、ずさんな工事に見え、
今にも倒壊しそうなくらい粗悪な建物にも見えます。
CHINAの文字をあちこちで見かけます。
建設ラッシュではありますが、あまりにも貧富の差が激し過ぎます。
道路工事中、貧しいバラックの家がずらりと続く。
首都の小高い丘には展望台と観光用道路が建設中。
もっと先にやるべき必要な事ないの?
展望台
展望台の工事風景(とてもスローペース)
街を一周すると、建設ラッシュに沸いているのは街の極々中心地に集中している事が分かります。新しい集合住宅はガイドの説明によるととても高額で、賃貸で借りると1000ドル、2000ドル、3000ドル・・・と一般庶民には手の出ない高額な賃料のようです。(これってあの国とそっくりですよね?)
そして中心地から1〜2キロも郊外へ出ると、道路は未舗装が目立つようになり、バラック小屋の貧困なスラムばかりになって来ます。
写真の展望台を建設している山からは、背中に背負い切れないほどの雑木を背負った、裸足の女性が何人も山を下っていました。この雑木は薪として売るために山から集めて来たものと思われます。
首都と言えど、電気もガスも、水道もないバラック小屋の住居が大方を占めており、道路は未舗装が普通、上下水道も整っておらず、停電は毎日何回も、通信環境も整っておらず、学校教育も不十分、とにかく無いない尽くしの貧しい国である事が分かります。
エチオピアは内陸国で海に出るには、隣の国を通らねばなりません。
更に周辺国は、ソマリア、ジブチ、南スーダン、イエメンなど、名前を聞いただけで危なそうな国に囲まれています。
外務省の渡航安全情報でも真っ赤とオレンジだらけです。
因みに私は通常は黄色ゾーンまでしか立ち入りません。
資源は、金もダイヤも石油も、目ぼしいものは何も無いとされています。
外貨が稼げる貴重な輸出品目は、あの有名なエチオピアコーヒーくらいのもので、あまり目立った品目はないようです。
出稼ぎは多いようで、UAEなどの中東湾岸諸国に多く出掛けているようです。
一方、国民の数は多く一億人程度で、エジプトと同程度の人数です。
また、発展途上国らしく若者や子供がとても多いのですが、学校教育は不十分で、識字率も低く、若者が平日の昼間から路上でぶらぶらしている姿を多く見掛けます。(私が行った時期が農業の閑散期だった事も無関係ではないと思いますが、定職に就けない若者がとても多い事は間違いありません)
言語はエチオピアの言葉の他に、かなりの割合で英語が子供でも喋れます。
これは、エチオピアにとって将来の大きな財産になり得ると思います。
私は日本も公用語を日本語と英語の2カ国語と宣言すべきでは思います。ちょうどオリンピックが決定した時がそれをするのにいいタイミングだったと思いますが、そう言う議論にも一切ならず残念です。
宗教は、アフリカではイスラム教の国が大半を占めますが、エチオピアはその中でも珍しいエチオピア正教によるキリスト教国です。
キリスト教が伝播した時期が4世紀と早く、その後エルサレムから距離もあり隔絶された社会で独自に変化したキリスト教の世界観を見ることが出来ます。
人種は、アフリカンに少しアラビアンの血が混じった混血のようで、肌の色は黒人としてはやや白めの肌で真っ黒の肌の色の人は少ないです。女性は美人が多いです。
国民性は、※あくまで私の主観ですが、黒人の国としては気性が穏やかで、優しい印象。仕事に関してはお世辞にも勤勉とは言い難く、仕事は粗雑さが目立ち、緻密な作業には不向きな感じで、工業や建設などのものづくりには適していない印象。むしろ農業に適正があるように感じます。 →次回に続く








