会計士の関心事 -7ページ目

会計士の関心事

会計士の視点から日常生活の関心事を書き綴る

久しぶりに会計に関することを書きたいと思います。

最近の会計の世界では専ら国際会計基準(IFRS)へと関心が移りつつあります。一昔前の内部統制なんてもう忘れ去られたかのように・・。とういことで、少しずつ私たちも会計の国際化に向けて勉強しないと仕事ができなくなってしまいますのでいま必死で対応しているところです。

今回はIAS36減損について簡単に書いてみたいと思います。


日本では平成14年に企業会計審議会より公表された「固定資産の減損に係る会計基準」が現段階で適用されています。簡単に会計基準の説明をすると、企業が投資した固定資産から生み出されるであろう将来の収益が低下した場合において、一定の要件のもとその帳簿価額を切り下げるものです。そのため、採算が悪いと見込まれる事業については、監査上特に留意してこの判定がなされることになります。

実務上の話と少しすると、会計基準でこのような定めがある一方、税務上減損損失は損金算入が認められていないため企業としてはできるだけ減損をしたくないというインセンティブが働きやすいと思います。また減損損失が計上されると、税効果会計も絡んできて繰延税金資産の回収可能性にも影響が出てくるため、監査人の立場からも非常に留意すべき会計基準です。


さて、このような日本基準での減損に対応してIFRSではどのように基準が変更されるのでしょうか。

1、即時の減損認識
現状、大きく異なると思われる点としてはIFRSでは減損の兆候があれば直ちに減損テストを実施しなければならないところでしょうか。日本の基準においては、減損の兆候があったとしても、割引前将来CFが帳簿価額よりも大きければ減損損失は認識しなくてもいいという規定があったため、日本の企業は減損の計上を回避できた会社もあったかと思われます。IFRSではそのようなことがなくなるため、より減損に対して厳しい規定になると思われます。

2.減損の戻入
日本基準においては、一度計上した減損は戻入することができませんがIFRSではのれんを除き戻入が可能となります。

3.将来CFの見積もりについて
日本基準においては、将来CFの見積もりに関して減損の対象となる主要な資産の耐用年数or20年のいずれか短い方の期間将来CFを見積もります。当該見積もりについては実務上、中長期事業計画や予算をベースとして策定されます。IFRSでも大きなところは同じなのですが、見積もりの際に利用する事業計画等は基本的に5年までとして、それ以降のCFはゼロ成長or逓減成長率を加味してCFを見積もることが基準上明記されています。


他にも細かいところはまだあるのですが、長くなりそうなのでまたの機会に書きたいと思います。