今日はIAS37引当金について少し勉強してみたいと思います。
現在、IAS37の引当金の概念については様々な議論がなされているようですが、現時点におけるIFRSの基準を取り上げたいと思います。
IAS37では引当金は以下のように定義されています。
(IAS37 10)
A provision is a liability of uncertain timing or amount.
簡単に言うと、タイミングと金額が不確かな負債ってことですね。
また、認識要件としては以下の通りです。
(IAS37 14)
(a) an entity has a present obligation (legal or constructive) as a result of a pastevent;
(b) it is probable that an outflow of resources embodying economic benefits will be required to settle the obligation; and
(c) a reliable estimate can be made of the amount of the obligation.
これも簡単に言うと、以下の通りです。
(a)過去の事象の結果として、企業が現在債務(法的・推定的)を有しており
(b)企業から経済的便益を有する資源の流出する可能性が高く
(c)債務の金額を信頼性をもって見積もれる
これに対して、日本の引当金の認識要件としては以下の通りです。
①将来の特定の費用又は損失であって、
②その発生が当期以前の事象に起因し、
③発生の可能性が高く、かつ、
④その金額を合理的に見積ることができる場合
IFRSと日本基準を比較してみると、IFRSは現在の債務を対象としているのに対し、日本基準では将来の費用・損失を対象としています。そのため、両者では引当金とすべきものについては、差が生じてきます。特に推定的債務に関しては留意が必要です。
(IAS37 20)
An obligation always involves another party to whom the obligation is owed
IFRSでは債務には常に相手が存在するとしており、企業が取締役会等の機関で独自に決定した事項は債務には当らないということです。従来日本においては、企業の独自の判断により修繕引当金等が設定されていましたが、そういったものは引当金の概念から外れることになります。
また、リストラクチャリングに係る引当金についての定めもIFRSでは詳細な定めがありますが、日本基準には特にありません。簡単に言ってしまえば、トップマネジメントがリストラを決定しただけではなくその計画を広く従業員に周知させることで推定的負債が確定されることになります。
IFRSにおける引当金の大きなポイントとしては企業は決算期末現在どのような債務(法的・推定的)を有しているかということでしょうか。