ある朝
飼い主さんがいつものように愛犬ゴールデン二頭を連れて、散歩をしていた。

...

すると、いつも通る道の草むらで一頭のゴールデンが
何かを、口に咥えて運んできた。

ゴールデンが口に咥えていたのは、自分の足先ほどにもならない
産まれたばかりの小さな仔猫だった
そして、また同じ場所に戻って口に咥えて持って来た
二匹目の仔猫を優しく地べたに置くゴールデン。

おそらく、誰かが捨て場所に困り産まれたばかりの子猫二匹を
草むらに捨てて遺棄したのだろう。




仕方がなく、飼い主さんは家に連れて帰り保護をして
三か月が経った今、小さな拾いものは確かな命として
笑ったり、鳴いたり、燥いだり家族としてみんなで暮らしているという。




どんな命にもドラマがある
しかし、そのドラマは生きてこそ始まりがあり
この草むらに捨てられた小さな命のドラマは、誰かが手を貸さないと
草むらの中で淋しく幕を閉じただろう・・




人は人を助けるが、人は命を簡単に捨てる
動物は動物を助けるが、その命を捨てたりはしない。
人は動物に冷たいことをするが
動物は人に冷たいことはしない。




人が捨てた動物を
動物がそれを拾い助けるその姿を見て
私たちは、何を考え何を学ぶべきなのか。道徳、良心とは
何なのか、胸に手を当てなければならないのではないだろうか。

ゴールデン君の小さな行為が
どれほど清く、大きなことなのかを・・。






一般財団法人 ワンダブル