どれだけの歳月が過ぎただろう
どれだけの季節が移り変わっただろう





元気でとても活発でいながら 淋い場所に繋がれたまま三年半

福島原発被災地から初めて福島から出て行った一匹のわんこ




150センチの場所をグルグル周りながら人が来ることだけを待ち続けた
オイと云う名前の被災した一匹の犬が
この度、茨城の里親さんのもとに旅立った




餌を見つけるのも ままならない
自由を見つけるのも 諦めきれない
そんな世界から解放され福光の家にやって来たが
『この子が幸せになれるなら』と福島の飼い主さんから
承諾を得て被災犬オイは幸せ犬オイへと運ばれた




心は何かと淋しがる
言葉は何かと伝えたがる
命は何かと笑いたがる
地獄から普通に 普通から幸せになれることが
この子たちの本望であるのは言うまでもない




移動中の車の中から見る初めて見る世界
それはこの子にとって 無限とも言える希望の世界
そんな世界に大人になって初めて目に飛び込んだその嬉しさが
オイの表情から身に染みて受け取れる




オイは数えきれないほど泣いた
そしてオイは被災後 初めて心の底から笑った


多くの被災犬たちの苦労がこうして
報われることを願いながら




オイ!
おめでとう!!

一般財団法人 ワンダブル