深度14幸せ「芸大狂想曲 その1」の巻


ぼくは某芸術大学に通っていました。

そこでのエピソードをいくつか書いてみます。


新人歓迎会

これはひどかった。ぼくが入った男子寮は超体育会系。新人歓迎会と称して先輩から科されたノルマは一人につきビール2ケース。吐いては胃に流し込みを繰り返し、足腰立たなくなってから、先輩が車で搬送。ついたところは自殺の名所。10人が首を吊ったといわれる大きな木にロープで縛られ夜を明かす。度胸試しという名目らしい。そんなこっぴどい目にあったのもつかの間で数日後、部員が集まらないという理由で、本人の意思に関係なく不人気部へ振り分けられる。僕が入れられたのはメルヘン研究会

メルヘン?!メルヘンンン!????

なんでやねん!!男女10名程のメル研(略称)は、週に一度集まって自分が創作したポエムを読みあったりしてる。オエ。やってられへん。部費だけ納めて二度と出席せず。


そんなひどい男子寮でしたが、一つだけよかったこと。それはある天才との出会い。


大学生にして長唄のお師匠だったE先輩。いつも着物を召して低姿勢。お部屋からは三味線や鼓の音が聞こえてくるってなかんじ。某日本有数の神宮の宮司の息子。大化の改新(古代クーデター)を起こした中臣鎌足の子孫だって噂。彼の前に行くとついつい正座してしまう不思議な魔力の持ち主。


さて、ある日E先輩が一度、雅楽の舞を目の前で見せてくださった。演目は「蘭陵王」。

ご存知ない方のために簡単に説明。


昔中国にとっても美青年な王様がいらはったそうな。

その王様が戦場へ赴くと、みな王のお顔の美しさに見惚れて戦争どころじゃなくなっちょう程。

そこで王様、自分の顔を隠す「竜の面」を着けて颯爽と戦場へ!!!


ぼんやりこんなストーリー。

その時は映画監督を、そして以前は彫刻家を目指していたぼくは、その激しい舞を逃すものかとクロッキーブックに描きとめたのでした。その絵まだある。いつか気が向いたら公開します。

あぁ、E先輩、御達者でしょうか。


そうそう、先日某映像アワードCM部門にて、全国でグランプリを頂きました。嬉しい二度目のグランプリ。 「拝啓 E先輩。あなたの部屋に入り浸っていた、あのバカたれ後輩は、今CM界で頑張ってます!もっともっと頑張って、胸張って、先輩に会える日を必ず迎えたいです。」と伝えたい。幸せ幸せ幸せ幸せ

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