深度13
「CMは楽しかばい!」の巻
九州のCMはなぜあんなにも元気なのか?クオリティも面白さも他県に比べ、群を抜いて際立っている。
今から遡ること5年前、そんな疑問を抱いた僕は、福岡へ赴いた。目的は、九州きってのCM制作集団に会うためである。そこで一人の男と衝撃的な出会いをする。彼の名は・・・ご迷惑がかかるといけないのでホワイト氏としておこう。彼は九州のローカルCMを全国レベルへ引っ張り上げた功労者の一人である。
ホワイト氏の手法は実に面白かった。まず、有名タレントを使えないCMでは、極力顔を出さないように表現する。
CMで表現することは、一つにする。矛盾したオリエンを提示した企業は断る。
などなど、簡単のようで難しいルールーの中で、CM界を席巻していた。
ホワイト氏の社ディレ(社内演出)の育て方もすさまじい。
新人社ディレにはまず、予算関係なく一番得意な手法で一本制作させる。これを最初にやられる演出はきついはず。だって言い訳できない環境を作られるのだから。そして、出来はともかく・・・・・ケチョンケチョンに酷評してパチンと潰す。そして、そこから改めて初めて育て始める。
うーーーーん手厳しい。
社内の環境もギラギラしている。特に若い連中が。
どんな手を使ってでも、芽がでてきた新人はぶっつぶす!という物騒な緊張感が漂っている。しかし、やっている事は案外可愛い。不出来な作品を上げてしまったら、次の日自分で坊主にしてくるとか、編集室を抑えるためにスケジュール表に線を引いておいたら、ライバルに消しゴムで消されちゃうとか。まぁ、ここだけ聞けば小学生のいたずらのようだが、考えても見てほしい。こんなにもギラギラしてクリエイティブに臨んでいる若者が全国にどれほどいるだろう?
僕は常々社内の若い連中にこう言っている。
戦うクリエーター集団であれと。
傷なめ合うぬるい環境でいいものなど生まれない。切磋琢磨とは今や死語なのか?そういう空気が今めったに感じられない。
ホワイト氏が育て上げたスタッフは、カンヌCM祭でレッドカーペットを歩き、東京へ進出し、トップCGクリエーターが集う会社を二つ誕生させた。成果は火を見るよりも明らかだ。
先日ホワイト氏から作品集と手紙を頂いた。そこにはこんな締め言葉が・・・
「今のCMが、もし面白くないと感じていたら、それは誰のせいでもありません。あなたの責任です。」
あぁ、相変わらず手厳しいホワイト氏。心より尊敬しています。![]()
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