懲役531日目 | 横須賀刑務支所第3工場体験記 ~ワンタンチップに翻弄された日々~

横須賀刑務支所第3工場体験記 ~ワンタンチップに翻弄された日々~

刑務所生活や、逮捕、起訴、受刑までの流れ、用語、
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中で考えた事や自分が変わっていく様をまずは日記形式で書き始めました。

スガオ君の件での調書。

子音を押す。

昼は例の無期懲役の外人君と過ごす。共にランニング。外人君はのそのそ横を歩いている。

走れよ。笑



何をしてここに来たの?

ああ…タクシーで強盗したんだよ

マジか

殺すつもりなかったんだけどね


いざ話すとなると英語の単語が出てこない

言っている事は分かるが、聞き取るのと話をするのは別である

言葉につまる

日本語を英語に頭の中で変換しようと頑張っていると隣にS君がたまたま来た。

ああ、ちょうど良かった

殺すつもりなかったって事だけど、事件はどんな感じだったのか聞いてくんない?

ああ、分かりました

英語で尋ねている

ネイティブすげぇ

S君は5歳からアメリカにしばらくいたらしい

外人君が返す

殺すつもりなかったんだよ、でも相手が騒いだからさ、刺しちゃってさ

小さい声で、ヒズダイ…

みたいなことを言ってる



殺しちゃったって事ね。


言語は違うが切ない雰囲気が流れる


場所は?


ゴタンダ〜




五反田!?



イエス





話してくれてありがとな

手を差し伸べると握手を返してくれて、

ユアウェルカム





俺がはじめて出来た外国の友達は、ナイジェリア出身の無期懲役囚となった。