犬は、お手と言えば手を出し、お座りと言えば腰を下ろします。
犬に関する記事や本を読んでいると、筆者の考え方によって「犬の言葉の理解」の表現方法が異なります。
例えば、犬は言語を理解し言葉を覚えるとか、犬は人の言葉を合図として理解するとか、犬は言葉ではなく人の顔色や癖などを見極め行動するなどですね。
言葉をかける→犬が理解→犬が行動
という図式は同じだけれど、「→」の間でどのようなことが行われるかが、人によって解釈が違うみたいですね。
ケミの場合、話しかけると首を傾げるので、文章になると頭がパニックを起こすようです。
例えば
「ケミ」名前を呼ぶとシャンとする。
「これからお手をするけど、しっかりできるかな?」首を傾げる。
「さ~て、今からお手って言うけど、言ったらここに手をのせるんやで~」お手という言葉に反応するも、手を引っ込めるしぐさが見え、首を傾け理解しようとしている。
「はい、お手してください」まだまだ首を傾げる。
「お手だよお手、お手してください」首を傾げる。
「ほら、早くお手は?」恐る恐る手をあげてみるケミ。
「そうそう、お手だよお手」手を引っ込めるケミ。
「お手」シャキッと上手にお手ができました。
ケミの場合、「お手」=手の上に手を重ねることという理解はあるものの、前後に違う言葉がくっつくと分からなくなります。
なので、トイレに迷っている時「トイレ行って!」とか「トイレ入りなさい」なんて言うと、失敗する。
しっかり「トイレ」って言ってあげると、ちゃんとトイレでしてくれる。
犬は家族の名前を覚えると言いますが、我が家の場合はみ~んなそれぞれ違う呼び方で呼んでいるのでなかなか覚えられないようです。
例えば、私は「子」付き名で、昭和丸出しの名前なんですが、父は私を子付きで呼び捨てにしますが、爺ちゃんは子なしでチャン付け、婆ちゃんは「お姉ちゃん」、すぐ下の弟も「お姉ちゃん」だけど、一番下の弟は「アネキ」と呼ぶ。
父のことも私とすぐ下の弟は「お父さん」と呼びますが、一番下の弟は「オヤジ」ですし爺ちゃん婆ちゃんは名前で呼びます。
ケミには難しいよね、統一しないと。
でも唯一、ケミがしっかり覚えた名前があります。
それが「お父さん」。
父は、普段自宅で仕事をしていますが、夕方と深夜0時ころに、外に仕事へ出かけます。
ケミは父が大好きなので、落ち着きなく父の帰りを待っているので、父が帰ってくると私が「あ!お父さん」って言ってたんですよ。
「お父さん」というと、「え!帰ってきたの?」って顔をするので面白がってたんですよね。
「お父さん」というと、ドアを開けてくれって催促し、父を玄関にお出迎えしに行きます。
そんな行動を見て、父=お父さん、と理解したのとばかり思っていたんですが……どうやら違っていたようです。
日曜日のことです、家族でゴロゴロ居間でテレビを見ていたんです。
ケミはゴロゴロしてないで、外にいこうよ~とばかり、じゃれてきます。
ケミを父になすりつけようと、「ケミ!お父さん!」って言ったんです。
すると!!
ケミは、父に向かって走り出した!……と思ったら、ドアをカリカリし始め、開けろって。
ドアを開けると、玄関で誰かを待っています。
どうやら、ケミが覚えた「お父さん」という言葉は、「帰ってきた」という意味で覚えていたようです(笑)
それからしばらく、誰も帰ってこない玄関で誰かを待っていたケミ。
父は、「あ~もう俺のこと一生おぼえてもらえへんや~ん」と、嘆いていました。
ケミに「俺が!お父さん」と一生懸命話しかけていましたが、その度にケミは玄関に走っていってました。
因みに、爺ちゃん、婆ちゃんは言葉がにているので、よく間違えます。
○○の所へ行きなさいってときは、指を指すことで覚えさせたんですが、「爺ちゃん」と合図すると爺ちゃん婆ちゃんの部屋へ走り、爺ちゃん婆ちゃんの前で一時停止……迷っています。
ケミの様子を見ているとどっちだったっけな~って考えているみたい。
でも、よく考えてみたらケミは私の指示ばかり覚えるので、多分私の名前は覚えてくれないでしょうね。
みんな「お姉ちゃんとこいっといで~」みたいに話しかけるので、ケミは無視!
みんな私が怒るから寄っていかないんだって言ってますが、指示の仕方だよって私はふて腐れています。
今、どうやって私の名前を覚えさせようかって企んでるのですが、「お父さん」みたいに誤解されたくないので(笑)慎重に考えたいって思ってます。
どうやったら覚えてくれるかな~?