*三番札所*
紀伊国 風猛山粉河寺


◆◇ご本尊さま◇◆
千手千眼観世音菩薩 
(粉河寺の本尊は絶対秘仏で結縁開帳でもお姿を拝見することができないとのこと)


◆◇ご真言◇◆
おん ばさら だるま きりく


◆◇ご詠歌◇◆
父母の 恵みも深き 粉河寺
 仏の誓い たのもしの身や 



私たちは、心の中に粉河寺にたどりつく道を持っている。
それが仏性というもので、誰もが持つこの仏性は
粉河寺の領域で、はっきりと目ざめる。

(粉河寺のサイトより抜粋)


◆◇ご由緒◇◆
*登場人物*
・大伴孔子古(おおとものくじこ):紀伊国那賀郡に住む猟師
・童行者:「紀伊国那賀郡粉河の者」・ 千手観音の化身 
・河内国の長者佐太夫の一人娘:病を患う


奈良時代末 宝亀元年(770)
大伴孔子古が、
ある晩、光明輝く地を発見。
発心してその場所に柴の庵を建てた。



後日、童行者は、一夜を泊めてもらった。
孔子古の願い~庵に仏像を安置すること~をかなえてやろうと、
七日七夜、庵にこもり、等身の千手観音像を刻み立ち去った。



河内国の長者佐太夫の一人娘が長患いしていた。
そこへ童行者が訪ね来て千手陀羅尼を誦して祈祷、やがて娘の病は回復。

童行者は長者がお礼にと申し出た七珍万宝を断る。
娘が捧げるさげさや(お箸箱)と袴のみを手にして、
「紀伊国那賀郡粉河の者だ」とのみ告げて立ち去った。



翌年春
長者一家は粉河を訪れた。
探しあぐねて小川の傍らで一休み。
ふと流れる水が米のとぎ汁のように白いのに気がつき、粉河の証しであることを確信。
さらにその川を遡り庵を発見した。
扉を開けると千手観音が安置。
~娘が差し出したさげさやと袴を持たれていた。
童行者は、実は千手観音の化身であったことが分かった。



◆◇白洲正子さんの西国巡礼◇◆

粉河というのは、川の水が粉みたいに白く、それを溯ったところに寺を発見したことになっているが、現在、そのような白い川は見当たらない。寺は、紀の川ぞいの街道を、少し北へ入ったところの、こんもりした山裾にあって、見るからに古い伝説を秘めているような土地柄である。

寺そのものより環境がいい。私が行った日は雨で、参詣者は一人もなく、白壁の築地がつづく小道や、雨に煙る山々は、ことさら神秘的にみえて美しかった。


◆◇瀬戸内寂聴さんの寂聴巡礼◇◆

粉河の里は紀ノ川の北岸の静かな鄙びたところであった。粉河駅前からせまい古風な門前町を北へすすむと川に逢う。これが粉河かとのぞいてみるが別に水が白いわけでもない。
門の奥はしっとりと落ち着いた広い境内で、森閑としたあたりの空気がひんやり感じられる。石畳の道をすすむと山裾にあるせいか、風も翡翠色をしているように思われてくる。


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◆◇参拝日時◇◆
平成20年10月29日


◆◇感想◇◆

数日前に、突然予定が空き、お参りさせていただくことができました。
千手堂の本尊千手観音さまの218年ぶりのご開帳。
私に西国巡礼を決意させてくれたのが、粉河寺です。

秘仏公開期間中に、粉河寺のお参りのご縁をいただけましたので、
その後も、秘仏公開期間中に西国巡礼をさせていただきたい!と、強く思いました。

その結果、私の願いは観音さまに通じ、順調にお参りさせていただき満願することができました。
ありがたいことです。



218年ぶりに御開帳のあった観音さまより、正直なところ大衝撃を受けてしまった丈六堂の阿弥陀さん。 
阿弥陀さんの前から立ち去りがたかったです。
私にとって粉河寺といえば・・・丈六堂の阿弥陀さん。

あと 左甚五郎作の トラがあるんですね。



こちらで 極楽浄土へのユニフォームである「おいずる」を購入しました。
背中に、南無観世音菩薩 と書かれてあるものです。

これからは、納経帳と、おいずるを忘れずに持参し、カラーの御身影(各所のご本尊さまをカラーで写したもの)を授けていただこうと思っております。


当時の日記を元に感想を書いております。
そのときは、気にならなかったのですが、だいたいお寺さんの開基ってお坊さんが多いですよね。
粉河寺は、猟師である大伴孔子古さんというのは珍しいナァと思いました。


なんで、童行者は、お箸箱と袴をもっていったんでしょうか?
最大の疑問・・・


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◆◇参考書◇◆
西国三十三所結縁御開帳公式ガイドブック (総合編纂第二出版部ピース)
はじめての西国三十三所巡り (NHK趣味悠々)
*白洲正子さんの西国巡礼
*瀬戸内寂聴さんの寂聴巡礼 (集英社文庫)
高田好胤「観音経」法話
続・高田好胤「観音経」法話 偈頌(げじゅ)の巻
*特別展 西国三十三所 観音霊場の祈りと美
*西国巡礼慈悲の道

◆◇参考サイト◇◆
西国三十三所巡礼の旅
 http://www.saikoku33.gr.jp/
粉河寺