*一番札所*
紀伊国 那智山青岸渡寺


◆◇ご本尊さま◇◆
如意輪観世音菩薩


◆◇ご真言◇◆
おん ばらだ はん どめい うん


◆◇ご詠歌◇◆
補陀洛や 岸打つ波は 三熊野の
 那智のお山に ひびく滝つ瀬 



◆◇ご由緒◇◆
*登場人物*
・裸形上人:印度天竺の僧
・生佛上人:大和国の僧
・花山法皇:19歳で一条天皇に地位をゆずり、京都山科の元慶寺で出家


仁徳帝の頃(4世紀)
裸形上人が那智大滝において修行を積む。瀧壷で八寸の観音菩薩を感得。

200年後

推古天皇の頃
生佛上人が来山。一丈(3m)の如意輪観世音を彫む。
裸形上人が感得した八寸の観音菩薩を胸佛に納め勅願所として正式に本堂が建立。

平安朝中期から鎌倉時代
花山法皇が三年間山中(那智の滝の奥、円成寺)に参籠。

朝 :経典読誦
日中:瞑想・座禅
夕方:次の日の準備

満願のお礼に、那智山を一番目に近畿各地の三十三観音を巡拝。
西国第一番礼所となりました。


◆◇白洲正子さんの西国巡礼◇◆

ふうふういいながら本堂に辿りつき、生れてはじめての印をいただく。鐘を鳴らし、ろうそくを上げると巡礼らしい気分になるから不思議である。隣りで中年の女の人が、小声で御詠歌らしいものをあげているが、このごろは御詠歌も大っぴらには歌えないのか。だがその表情は、あたりに人なきが如く恍惚として、どんな悩みがあろうと、神様に頼れる人達は仕合せだと思う。


◆◇瀬戸内寂聴さんの寂聴巡礼◇◆

青岸渡寺の境内には、さすがに巡礼の白衣姿が見える。
ご本尊の前でひとり、観音経をあげさせて頂く。すでにして心に安らぎが湧く。とにかく、今この時から非日常の時間が始まるのだ。


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◆◇参拝日時◇◆
平成21年3月22日
国連で定めた「世界水の日」

◆◇感想◇◆

キミエさんと一緒にお参りさせていただきました。
補陀洛山寺にお参りの後、お昼ご飯にマグロ丼をいただきました。


どしゃ降りの雨
ミソギ・ミソギ・・
なんて思いながら参道を歩きました。

まず、那智大社さんでお参りさせていただきました。
雨の中、胎内くぐりをしました。

雨宿りさせてもらった本堂の前のお店の軒先で、
前日はね 安倍元首相がお参りされててね 大賑わいやったのよ~
っておっしゃってました。


さすがに今日のお参りの方は少なかったです。
ゆっくりと仏さまをお参りさせていただき、
待つことなく 御朱印もしていただけました。


ここは、亡き父との思い出の場所なんです。
父は、平成18年5月のゴールデン・ウィーク前に一時退院していました。
那智さんに行こう~!と誘ってくれました。
あまり仲がよくなかったんです。
でも、なぜか両親と一緒に出かけました。


元気な父は、バリバリ仕事をこなし、夏は川魚釣り。冬は狩猟を楽しんでいました。
息を切らしながら父は、俺はここで待っている。お前ら見て来いよ~!
なんて言って、三重塔の前のベンチで待ってました。
よほど、しんどかったんでしょうね。


両親は、20代に西国三十三所巡礼を満願。
保育園児だった私も弟も一緒に連れて行ってもらいました。
小さいときから、仏さまを身近に感じる生活を送っていたのも、両親のお蔭です。
ありがとう。 改めて、感謝。


三十三ヶ寺の御宝印の白衣を着て、閻魔さんに会いにいった父。
閻魔さんは、無条件で極楽浄土へ導いてくださったことでしょう。



西国巡礼25番札所の播州清水寺さんで購入した、荒 了寛さんの本
父よ母よ命ありがとう (羅漢さんの絵説法―父母恩重経)
素敵な挿絵なんですよ。
もう一度読んでみよ~っと。



父には いつくしみの恩
母には かなしみの恩
その恩
山よりも高く 海よりも深し



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◆◇参考書◇◆
西国三十三所結縁御開帳公式ガイドブック (総合編纂第二出版部ピース)
はじめての西国三十三所巡り (NHK趣味悠々)
*白洲正子さんの西国巡礼
*瀬戸内寂聴さんの寂聴巡礼 (集英社文庫)
高田好胤「観音経」法話
続・高田好胤「観音経」法話 偈頌(げじゅ)の巻
*特別展 西国三十三所 観音霊場の祈りと美
*西国巡礼慈悲の道

◆◇参考サイト◇◆
西国三十三所巡礼の旅
 http://www.saikoku33.gr.jp/
那智山青岸渡寺