今日もいつも通り学校へたどり着き理解のできない数式を延々と聞かされるんだろうな・・・。
今思えばまさにこれがフラグだった。
起こってみると一瞬だった。
瞬く間に俺の前に現れたイベントの種は育っていった。
その芽は強すぎたのか足元のコンクリートを砕き大きな穴をあけた。
土煙の中ピンクにきらめくロングヘアーの《美少女》が目の前に現れる。
直径3mはあるであろう大きな穴のふちに、ちょこんと手を添えて顔を出しこちらを見つめている。
この俺が下という選択肢を忘れていたとは・・・一生の不覚。
ピンクの美少女はこちらの顔を確認するとにっこりとほほ笑みかわいらしい口を開いた。
「あなたを迎えに来たのです!一緒に来て私の世界を救ってほしいのです!」
・・・まぁ予想通りというかなんというか。
ここまで俺が繰り返し脳内でシミュレーションしていたパターンとほぼ同じ展開であった。
足元から飛び出してくる以外は。
常人ならこの事態を飲み込めずパニックになり警察にでも通報するのだろうが俺は違う。
自分が思うよりも先にこの展開を待っていたんだと口が勝手に返事をする。
「あぁ、行こう!俺がその世界を救って見せる!」
少女の笑顔はさらに輝かしく見える天使のほほえみに変わり俺の手を取り・・・その大穴へ飛び込んだ!
(下が見えないな・・・)
落ちていくことへの恐怖は無かった。
なぜならこんな美少女が俺と手をつないでいるのだ。
もう死んでもいい。
地上の光が見えなくなったころに少女が俺に語りかけてくる。
「この通路は秘密通路なのです。だからあなたの感覚を一時的に遮断しますのです。」
「え・・・?」
───頭の中が真っ白になり気が付くと既に地に足がついていた。
だがまだ前が見えない。
「やっと到着したのです!今から視覚も元に戻しますです!」
その瞬間にまぶたの向こうから光を感じた。
ここは地下ではないのだろうか。
目を開けると目の前に大きな穴が開いていた。
さっきと同じ通学路だ。
「なぁ、ここさっきの場所じゃないか?君の世界ってどこのことなんだよ」
「いえ、ここがもう私たちの世界。幻想世界です!」
つづく
