わ・ω・も ネトゲ&小説日和

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前編より


今日もいつも通り学校へたどり着き理解のできない数式を延々と聞かされるんだろうな・・・。



今思えばまさにこれがフラグだった。



起こってみると一瞬だった。



瞬く間に俺の前に現れたイベントの種は育っていった。



その芽は強すぎたのか足元のコンクリートを砕き大きな穴をあけた。



土煙の中ピンクにきらめくロングヘアーの《美少女》が目の前に現れる。



直径3mはあるであろう大きな穴のふちに、ちょこんと手を添えて顔を出しこちらを見つめている。



この俺が下という選択肢を忘れていたとは・・・一生の不覚。



ピンクの美少女はこちらの顔を確認するとにっこりとほほ笑みかわいらしい口を開いた。




「あなたを迎えに来たのです!一緒に来て私の世界を救ってほしいのです!」



・・・まぁ予想通りというかなんというか。



ここまで俺が繰り返し脳内でシミュレーションしていたパターンとほぼ同じ展開であった。



足元から飛び出してくる以外は。



常人ならこの事態を飲み込めずパニックになり警察にでも通報するのだろうが俺は違う。



自分が思うよりも先にこの展開を待っていたんだと口が勝手に返事をする。



「あぁ、行こう!俺がその世界を救って見せる!」



少女の笑顔はさらに輝かしく見える天使のほほえみに変わり俺の手を取り・・・その大穴へ飛び込んだ!



(下が見えないな・・・)



落ちていくことへの恐怖は無かった。



なぜならこんな美少女が俺と手をつないでいるのだ。



もう死んでもいい。



地上の光が見えなくなったころに少女が俺に語りかけてくる。



「この通路は秘密通路なのです。だからあなたの感覚を一時的に遮断しますのです。」



「え・・・?」



───頭の中が真っ白になり気が付くと既に地に足がついていた。



だがまだ前が見えない。



「やっと到着したのです!今から視覚も元に戻しますです!」



その瞬間にまぶたの向こうから光を感じた。



ここは地下ではないのだろうか。




目を開けると目の前に大きな穴が開いていた。



さっきと同じ通学路だ。



「なぁ、ここさっきの場所じゃないか?君の世界ってどこのことなんだよ」



「いえ、ここがもう私たちの世界。幻想(アニメーション)世界(ワールド)です!」

つづく


プロローグより

第1話「空から美少女が!・・・なんてことは無かった」





《データが壊れていて読み込めません》



テレビの画面に無慈悲な文面が現れ、俺は言葉を失う。



確かにメモリーカードの上にアツアツの紅茶をぶちまけた俺にも非はある。



だがセーブデータというものはこうも簡単に消えるものなのか・・・?



消える可能性があるのなら最初から耐水加工をしてほしいものだ。



今日は月曜日、登校前に少しゲームをしようと思っていたところだ。



あと数時間でまたハードな学校生活が始まるというのに・・・。



週の初め、それも朝にここまでの精神的疲労が溜まることをだれが予想できようか。



一瞬鈍器で殴られたかのように気を失いかけていたが、やっと平常心を取り戻し始めた。



はっきりと思考能力が戻った時にはコントローラーを握ってはいなかった。



今日の学校での話題はこれに決まりだな・・・。



その惨劇を引きずったまま身支度を整える。



朝食に食パン一枚をくわえ玄関から飛び出す。



家で食べる時間がなかったわけではない。



ただ、こんな王道的な行為を繰り返していればいつかはみんなのあこがれるアニメのような展開に出会えると、俺はいまだに信じている。





おっと、忘れていた。俺の名前は半野大助!高校2年生!



学校へ向かうために玄関から飛び出した後には必ず脳内で自己紹介をする癖がある。



理由としては食パンと同じ。いつ俺が主人公になってもいいように。



通学路を走りながら薄暗い横道や途中にある林の木々の間など、怪しい場所をくまなく確認する。



どこかにアニメのようなイベントの種が落ちているかもしれない。



だから俺は毎朝、それと下校の時に必ず目を凝らして周りを観察している。



もちろん空も必ず確認する。



空から美少女が降ってくるのは王道パターンでありしかも発生率が非常に高い。



出会いは空から、俺の座右の銘だ。





(今日も降ってこないか・・・)



確かに本当に降ってくることなどないことはわかっている。



だが、自分の心の底から湧きあがる好奇心にはあらがえなかった。

後編へ





プロローグ



 広い世界。明るい世界。幸せな世界。閉ざされた世界。作られた世界。



そんな世界の中を何も考えず、何かに動かされているかのように桃色の髪をなびかせる少女が駆けていく。



誰もいない世界の中、少女はどこにいるかわからない、そこに存在しているのかもわからない『誰か』に向かって語りかける。




「あなたに愛されている。もっと愛されたい。でも、もうだめなの。」



少女は目から涙を流し、苦悶の表情を浮かべ叫ぶ。











「あなたはもう、もうアニヲタを卒業しなければいけないの・・・!」








一部、俺の妄想。



つづく