加川良からの手紙 | 二足歩行の人間です

二足歩行の人間です

唄い手「鈴木わみ」
~生きているから唄うんだ~



長年敬愛する唄い手加川良さんが亡くなって一夜明けた。



まず良さんと良さんのご家族の方々に謝るべきことがあります。


私は1週間程前から良さんに再会することを諦めていました。


なんとなく胸騒ぎがした1週間前の夜に良さんが夢に登場し
目が覚めた時に私はもお良さんに二度と会えないとわかりました。


夢の中で良さんは相変わらずの皮肉を下さり
私はいつになく本音で思い切り口ごたえしていました。

私はいつも通りクシャクシャ笑う良さんを攻め続けていました。

なんで私はもお良さんの生唄を聴けないのか
なんで聴きたい唄を一度も聴かせてくれなかったのか と。




良さんは私のことを「セガレの友人」とゆう眼差し
「一人の唄い手」としての眼差し
少なくとも二つの優しい目で接して下さっていました。


初めて私のステージを観て下さった時は
「ほんまにもぉ〜好き勝手やりやがって」と云われたことを今でも鮮明に憶えています。

その日の別れ際
「あんたは好き勝手やりなさい」
「その代わり好き勝手せなあかんで」
と云われた時に私はおそらく生まれて初めて自分のことを唄い手と思うことにしました。




ウェディングパーティーの招待状を送らせて頂いて
出席を◯で囲んで返信して下さった時は震えました。


「チョゴリで君が代なんか唄う花嫁二度と一生見ることないわ」
とゲラゲラ笑われたことも一生忘れません。


私達家族だけでなくお客様全員に良さんの唄を届けられたことが本当に誇らしく幸せでした。



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生意気ながら私が初めて良さんに本気で腹を立てた或る夜
渋谷の居酒屋で口ごたえを我慢しながら暫く震えたことも記憶に新しいです。


帰りの電車に悔し涙を堪えながら乗り込んだけれど
家に着く頃には加川良が私達に本気になってくれてたことに気づきました。

今となっては心底感謝しかないです。




或る日はたまたま良さんと二人きりで1時間くらい話す場面があり
その際に良さんが私にかけて下さった言葉をそれ以来私はずっと教訓としています。



「ぼくらはミュージシャンとは違う。ずっと唄い手でおりましょう。」



生意気かもしれませんが、しっくりきました。

私にははっきり意味がわかります。

死ぬほど光栄です。




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或る夏届いた良さんからの手紙
これからも宝物にさせて下さい。


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(大阪のホテルのポストカードで広島から届いたのも愛おしい…w)






良さんと引き合わせてくれたすべての出来事と
良さんが引き合わせて下さったすべての出来事に感謝しています。


ありがとうございました。