帰り道、スーパーに寄ると泣いてる男の子がいた。
泣きじゃくりながら歩いている。
声を掛けてあげる人は誰もいない。
「どしたー」
わたしは男の子に歩み寄り話しかけると
「ママがーママがー」
泣きながら声を絞り出し、手にはウルトラマン人形を持って不安と絶望1000パーセントの表情を浮かべていた。
一緒に探してあげるよ、大丈夫、
ママの髪の毛は長い?
何色のコート着てた?
「ちゃいろーっ」と泣きながら言う男の子。
茶色のコートを着てる人を一緒に探す。
ぐるっと一周してもママはいなかった。
アナウンスしてもらおうかと思っていると
後ろから「わたしです〜」とママが現れた。
男の子が振り向きママに気づくと
「バカー」とも「ママー」とも聞こえる声にならない声を出し、大泣きしながら抱きついた。
そうだよね。
ボクにはママがすべてだもの。
よかったよかった。
そう思いながらママを見ると
ママはネイビーのコートを着ていた。