旦那は一生分の脂汗をかいていた。


ハンカチで首を拭きおでこを拭いてあげたあの日は桜が咲き始めた頃。


今でも鮮明に覚えている。


そして桜は散り、紫陽花が瑞々しく、太陽が目を覚まし、気がつくとミンミン蝉が鳴いている。


旦那は仕事の関係で6月にコロナのワクチン接種を受けた。


手術をしたばかりの身体に未知のワクチンを打ってよいのか。


副反応はないのかと不安がよぎる。


退院してからも痛み止めと腸の動きを助ける薬はしばらく服用していた。


今の状態で接種は問題ないと医師からのゴーサイン。


1回目のワクチンの時には処方された薬は飲み終わっている。


副反応は左腕が筋肉痛のみの発熱なし。


2回目は打った夜中に身体が熱くなり何度も起きる。


微熱以上の熱が出ていると感じた。


朝、熱を測ると37.6度。


身体の節々が痛む。


バファリンプレミアムを服用し午前中は休んでいた。


午後にもう一度BPを飲み1時間ほど横になる。


まさかと思った午後2時過ぎ。


旦那は仕事に出かけて行った。