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ウォーラスのトレッキング体験記「ヤマログ」

私のトレッキング記録「ヤマログ」の電子版です。主として山歩きの情報や感じたことを書いています。山に登れない時はなにを書こうかな・・・。

<承前>

8/23 最終日 農鳥小屋-農鳥岳-奈良田 そして帰還

昨日の夕方降り始めた雨(結構ひどかった)は、偏屈親父の予言通り未明には上がっていた。

なるほど、このあたりの天候を知悉しているところなどはさすがである。

人により好き嫌いはあるだろうが、農鳥小屋親父の流儀は独特である。

昨晩は、午後18:30約8名の小屋客が登山談義で盛り上がっている最中、いきなり消灯ラッパ(口で)を吹き、強制的に明かりを消した。(・・・さすがにまだ寝れるはずないだろ!)

03:30 就寝のリズムが狂ったままの未明、またもや(軍隊式の)起床ラッパにより強制的に起こされる。

04:00から朝食だと言う。当然辺りは真っ暗である。そしてヘッドライトを点け朝食会場へ。

味噌汁に卵を添えたなかなかの朝食が終わったのが04:30。もうすることがない。

 

04:40 予定より大分早いが、縦走最後の山である農鳥岳に向かうことにする。外は暗いが天候は良さそうだ。

ヘッドライトを装着して西農鳥岳への登る。昨日同様かそれ以上の猛烈な風が吹いている。

恐らく台風並みの風速20m/s近く。ヘッドライト装着した帽子が、ヘッドライトごと持って行かれそうだ。

片手はヘッドライトを必死で抑え、ザックを煽る強風にストックで耐風体制をとる。これはヤバい!

強風に耐えつつ少しづつ登って行くと、ようやく外が白み始めた。そして感動の風景の遭遇する。

 

 

 

04:50頃 強風の最中、ようやくこの山行で待ちに待った景観を得た。富士にご来光。これを見るために今回ここに来たのだ。

 

 

でもこの素晴らしい風景は長くは続かない。高度を上げれば再びガスと強風の中。耐える山行が続く。

 

 

05:36 ガスの中の西農鳥岳(3051m)。実は西農鳥岳山頂は農鳥岳本峰(3025m)より高度が高い。

でも、う言うことは他の山でもままあることだ。それでもいい山頂だった。

 

 

06:15 農鳥岳山頂(3026m)に至る。 ここもやはりガスと強風。当然他の人はいない。

 

 

 

これで今回目的地とする六つの山頂を制覇した。鳳凰三山から白峰三山を駆け抜けることが出来た。あとは無事に奈良田に下山し、無事自宅に帰還すればミッションコンプリートである。

 

06:25 濃いガスと強風の中、大門沢へ向かう。ここでも心慰めてくれるのは、夏山の花たちだった。

 

 

 

06:55 大門沢下降点(2830m)。ここまでガスと強風は途切れることはなかった。

 

 

 

この後、大門沢小屋までは長い長い急坂が続く。

とは言え白鳳峠からの下りと比べてはそこまではない。多少急に感じるくらいか。

 

稜線縦走路を左折し大門沢へ下り始めると、突然強風は止みガスが晴れ、一気に視界が開ける。下界は好天だったのだと初めて気付く。

 

 

 

再び麗しく、富士が姿を現す。このルートは富士を見るには最高だ。しばし富士の姿に見とれながら、大門沢を下り行く。

 

 

 

急坂はいつしかなだらかな樹林帯の道に変わり、大門沢小屋へ少しづつ近づいていく。

 

 

 

もう山頂部から1000mは下った。開けた場所から稜線を見ると、あのガスはどこに行ったのかと思うばかりの青空が広がっている。そして今日最後の富士・・・。

 

 

 

朝方の雲はどこにもなく、ただ青くりりしいたたずまいを見せる富士がそこにあった。

 

 

09:06 大門沢小屋(1730m)。想定より早く着いたようだ。ここでしばし休み、小屋の管理人と話をする。

昨日からの強風はさすがにひどかったようで、北岳方面からの予約は全てキャンセルになったとぼやいていた。総じてこの夏の南アルプスは雨ばかりで、例年にない登山者の少なさだとのこと。(やはり山小屋経営も楽ではない。山が好きだけではできないことだ・・・。)

奈良田に下山後、広河原から甲府へ戻る話をしたら、奈良田からバスでJR見延線下部温泉駅に行くのが早いと教えてもらった。ありがたい情報だった。早く甲府へ戻れそうだ。

 

 

 

大門沢をどんどん下る。沢を離れるとすぐ樹林帯へ。この樹林帯の道は快適だった。距離はあるがほとんど路面状況に気を遣うことがないハイキング道。スピードが上がる。

 

 

10:59 人工物が増えてくる。程なく登山道を出て車道と出会う。この後は車道をテクテク歩いて行く。旅の終わりはもう近い。

 

 

11:48 奈良田第一発電所バス停。広河原に行くならここでバスを待つ方がいいと教えられた。だが、今日は下部温泉に出ることに決めたのでここには用がない。先を行く。

 

 

 

12:17 GOAL奈良田バス停に到着。

長かったと言えばそうだが、終わってみればあっという間の4泊5日だった。

ともあれ、今年の夏山遠征、鳳凰三山から白峰三山縦走は無事コンプリートだ。

これは少しは自分を褒めても良いのかもしれない。(まだまだ甘いと言われそうだが)

 

本日の行程  17.32km  7 h  40m

 

 

 

8/19~8/23 縦走の累計  54.96km   33h 36m

 

 

エピローグ:

8/23 13:50 奈良田から下部温泉行のバスに乗る。本当は奈良田温泉でこの山行の汗を汗を流すつもりが、何と温泉は水曜定休日だった。温泉は甲府まで我慢することにする。

 

1時間超バスに乗り、JR下部温泉駅から甲府行特急に乗る。16時半ごろ甲府駅に着く。

甲府駅は暑い。昨日農鳥小屋の布団で寒さに震えたのがウソのようだ。

予約した宿に行き、ようやく温泉で山行中の汗を流す。そして甲府駅前の店でボッチ宴会。

賑やかさはないが、ひそかに噛締めるような充実感はある。そしてこの五日間で初めて翌朝を気にせずに就寝。

 

8/24 甲府は晴天。今日は予備日で甲府観光に充てる。憧れる武田信玄の本拠地。武田神社も行ったが、残念ながら武田氏の面影は現代甲府にはもはやなさそうだ。早々と名古屋へ移動する。

当初予約した高速バスをキャンセルし(時間的余裕なく、バスが遅れたら帰れない)、JRで名古屋へ。

夕方名古屋で最後の食事。21:00発の夜行バスに乗り博多へ。(帰りは快適だった。)

 

8/25 早朝博多着。良く寝た。 博多から昼前佐賀へ無事帰還。

これで本当に夏山遠征はコンプリート。

さて、来年はどこに行こうか・・・。行きたい日本の山は本当に多い・・・。

<了>

 

おまけ ロカボについて:

昨年来のロカボは実は今も日常続けています。体重54kmのやせ型。体脂肪率13%、血糖値95前後。炭水化物を摂取しなければ、医者も糖尿病だと分かりません。

今回の遠征ではロカボは昼食のみでした。セイゲニストからはバカにされそうですが、山で糖質制限は難しいと言うのが私の結論です。

先ず、山小屋で糖質制限すると小屋からたたき出されるか、エネルギー不足で遭難の危険に会います。

昨年は非糖質食料を一杯持って北アルプスに行きましたが、食料の重量と大きさに体力を失い、肝心の山行がコンプリート出来ませんでした。

今回アルプス縦走する運動量があれば、山小屋で摂取する炭水化物は、山行で容易に消費することがわかりました。

実際今回の山行での食事は、下山後に計測した体脂肪率に影響をほとんど与えませんでした。

となると、ロカボにこだわるべきは運動量が不足する日常で、極限までカロリー消費する山行では、むしろ担ぐ重量を抑え行動のパフォーマンスを上げる方が良いように感じました。

これが正しい選択だったとは思っていませんが、結果的に今回の縦走にロカボを冠することはできなかったと思った次第です。

これについては、もう少し自分の体で色々試してみるべきかもしれません。