持ち出した家具家電の返却、

不妊治療や生活費等の金銭要求が夫から出された。



阿部さんは「婚姻費用」の話を始めた。




「先程もお話したように、

奥様は専業主婦でこれまで2年半生活してきました。


法律上の夫婦である以上、妻の生活を保証することは義務です。

要求される金額の明確な提示もありませんし。


10万円の養育費を要求する条件が、

財産の返却であるなら、


そちら側の養育費希望金額を伺えますか?


お子さんの成長が見られないと感じられたようですが


面会交流につきましては、奥様はポジティブに受け取っています。



養育費はお子さんの権利です。


面会はご主人の権利です。


一切払わない、一切合わせないというお話ではなく

大人として、うまく、譲歩できませんか?」








こちら側は夫の主張を全面的に拒否した形で

別の案を提案するよう、提案した。





調停員2人が話し合っている。




「奥様はお子さんを取り上げようって話をしてるんじゃないんですよ、、、」




「いやでもね、あまりにも可哀想じゃない。

ご主人、浮気したわけでも、ギャンブルしたわけでも、
生活費を勝手に使い込んだわけでもないんですよ?」




「だから申し立てに来られたんだと思うんですよ。

結婚の理由は様々です。

離婚の理由だって、様々なんです。」




あまりにも夫に共感する男性調停員を


落ち着かせるように話をしてくれる女性調停員。





「とりあえず、奥様の意見をもう一度ご主人にお伝えしましょう。」





また、私たちは夫の話を聞くため待合室に戻された。