処置室に向かうと、数人のドクターと看護師さん、
そして看護師さんに抱かれてご機嫌の我が子が。

我が子の鼻にはチューブが挿管されていた。





私と母はモニターの前に案内されて座った。





くまさん先生「そしたら、説明しますねぇ。
まずね、お母さん、ミルク飲まなかったり、吐いたりする原因がわかりました。」







くまさん先生がモニターを指さして話を続けた。





先生「口から哺乳していない場合、鼻からチューブを通して直接胃にミルクを流し込むんだけど、、

ちゃんとチューブが胃まで届いているか確認するためにレントゲンを撮りました。その画像がこれだねぇ。」




レントゲン写真を見せてもらいながら説明を聞いた。






先生「これがチューブだねぇ。私たち人間の臓器の順番は、、肺があって、その下に横隔膜があって、下に胃、その下に小腸大腸、、、大きくわけたら順番はこうなんだけど、
お子さんは、横隔膜を突き破って胃がねじれ上がり、左側の肺を押し潰しています。」








先生の話を聞き、もう一度レントゲンを見た。
上から真っ直ぐおりたチューブが、途中でUターンして肺で止まっている。







先生「ミルクを飲むと胃が膨らんで、肺を圧迫する。ねじれてるから、気持ち悪くて吐いてしまう。こんな状況だったんだと思います。」








いつも穏やかに話すくまさん先生が
私たちへ向かって座り直し、まっすぐ目を見てハッキリと話し始めた。







先生「お母さん、今まで気づいてあげられなくて本当にごめんなさい。産後入院中にもミルク飲まないって相談してくれていたんだね。お母さんは小さな変化を見逃さず、ちゃんと僕らに訴えてくれていたのに、、出生後のレントゲンで問題なかったから、お子さんの個性だと決めつけて、疾患の発見が遅れてしまいました。本当にごめんなさい。」





私がリアクションする間もなく、先生は続けた。






先生「お子さんの状態は、命に関わる危険な状態です。今の状態でミルクを流すことは出来ません。
点滴で栄養補給させてもらって、すぐにチームを作って緊急手術をさせて頂きたいです。病名は横隔膜ヘルニアです。
おそらく、先天性のものです。
出生後のレントゲンに何も出なかったのは、生まれた直後だったからだと思われます。

手術には、ご両親の同意が必要です。
僕らが必ず助けます。お母さん、もう一度僕に任せてもらえますか?」











私「お願いします。助けてください。」










迷うことなんてなかった。
飲まない原因が分かった。
友達が驚いていた吐き戻しは、やっぱり吐き戻しじゃなかった。
我が子の小さな体の中で、そんな大変なことが起きていたなんて、、、



4ヶ月も、放っておいたなんて、、、


無理やり、ミルクを飲ませていたなんて、、、







後悔と、情けなさと、どうしてうちの子が、
って気持ちでいっぱいになった。

なぜだろう、涙は出ない。
まだ、泣いてはいけないと思った。