今日は日記のようなものを書く。


嵐のようなうねり、エネルギーの波に揉まれる日々を通りすぎて、穏やかな凪の日が帰ってきた。

普段、というかもう覚えていないくらいずっと慣れ親しんでいた、静けさ。

だけど今は、まだ心の内が熱くて、そわそわして、何もしていなくても、ほうっと暖かく楽しい気持ちになる。

ちょうどお祭りが終わったあとの感じだ。

縁日の屋台が片付けをはじめるなか、人の波がさあーっと、それぞれの家路に向かって流れていく。あの、さみしいけど幸福な雰囲気が私は好きだ。


過ぎさってみれば楽しかった感情だけが大きくて、だけどもう終わってしまって、時は戻らないから、ふたたび推進力を得て進んでいかないといけない。

少し休んだら?

私はお酒を飲んでみた。

ビールは苦い水だった。

ウイスキーは甘い水だった。

私は仰向けに寝て、全身で脱力しながら真っ暗な天井をぼうっと眺めた。


ひりひりする。

私の体に残っていた、傷が存在感を発揮していた。

嬉しい、と思った。

私は水の一雫に潤うように

小さな痛みを味わった。


この穏やかな日が

続くことに身を任せればふたたび私は静けさに

飲み込まれてあの暗く冷たい底の方に

どこまでも沈んでいくだろう。


絶望は薄い膜ひとつ隔てた向こうにいつだって存在している


私はもう、優しい暗闇に甘えるにも飽きたのかもしれない。

遠く、冷たい光に向かって歩くことを

今日のひりひりに誓った。