ひびのはいったうつわから

いろは ぽろぽろ こぼれおち

やがてうつろになりはてた

つちくれの

かたちもくずれ

くちゆく せつなに

こわれきった うちがわで

ぱちりとはじける 火花のなかに

再生する 小さな 小さな世界が

それでもたしかに存在した


あなたの もうとっくにうしなわれた

はずだった

色をともなった 温かさを

さいごに てのなかで

こぼれないように

つつみこんで

つちくれはねむりについた