浮草はひとつ所にとどまらずふわふわ

自由な旅をして日々を過ごしていた

根の無い軽さは特性で

だから周りのあらゆるものをすり抜け

避けては気まぐれに

発することばはたわごと

存在自体が冗談のようなふるまいを

自身信じて疑わなかったのだ


未来への可能性だったものはいつしか腐敗し

ただ未熟な種子の

つかの間に過ぎなかった

日々は終わる


旅の末

辿り着いた辺境の地


生命はようやく理解した

己が特性を生かし

死を恐れ

やがて

しずかに

土へと還った