モテない男というのは、いつの時代にも、どこの国にも
存在していました。
人間が洞窟で暮らしていた大昔にも、スペース・シャト
ルで宇宙を航行できる時代でも。
そんなモテない男=ロンリー・ガイを主人公にした映画
があります。
スティーブ・マーティン主演、アーサー・ヒラー監督に
よる1983年製作のアメリカ映画です。
タイトルはそのものズバリ、『The Lonely Guy』。
誰からも愛されず、誰からも必要とされない孤独な男。
そういう男になってしまったラリーの奮闘を描いた、少
しブラックなコメディです。
奮闘と書いたのは、ラリーは恋人を作るために色々と努
力をするからです。
シングルズ・バーに行って女性に声をかけたり、犬を飼
って公園を散歩して女性の注意を引こうとしたり、ジョ
ギングして健康さをアピールしたり。
もちろん失敗の連続です。
しかし、なんとか一人の女性に出会うのです。電話番号
を聞き出すことに成功するのです。でも、番号が書かれ
た紙ナプキンで汚れた口を拭いたりなんだりして、いつ
も番号を紛失してしまうのです。
このあたりの間の悪さが笑えますが、ロンリー・ガイの
不幸な境遇を軽く印象付けるもので、そういうものだよ
なぁと妙に納得してしまいます。
ブラックなのは、孤独に耐えられなくなったロンリー・
ガイたちが次々と身を投げていくのを当たり前のように
描写することでしょうか。
敗北者は消え去るのみという感じです。
ロンリー・ガイでありながら生きていくのは、かなりの
精神力が必要なのでしょう。
前向きの力強さではないのですけど。
そして、ロンリー・ガイから抜け出すのは、自力救済は
まず不可能です。
必要なのは、偶然の奇跡的な幸運なのかもしれません。
しかし、そんな奇跡的な幸運など簡単には来ないもの。
では、打つ手はないのでしょうか?
まったくないわけではないのかもしれません。
生きていたら、ひょっとしたら、諦めた最後の最後に
「棚からボタ餅」があるやもしれません。
それは、自分には向けられることがないと思うものを、
相手に対しては向けられるかどうかにかかっているかも
しれない、この映画を観ると、そんな風に思います。
