「先生が出した紅茶を飲んだら、意識薄れた」名門校教諭、裏切りのわいせつ
スポーツ報知 3月16日(土)7時5分配信
「先生が出した紅茶を飲んだら、意識が薄れた」名門高教諭、裏切りのわいせつ

 兵庫県警灘署は15日までに、元教え子にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで、神戸市灘区、県立神戸高教諭の数越(すごし)達也容疑者(57)=神戸市東灘区=を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。神戸高は有名大学に多数の合格者を送り出す名門校。数越容疑者は容疑を否認しているが、被害女性は「先生が出した紅茶を飲んだら、意識が薄れた」と話しているという。

 捜査関係者によると、数越容疑者は2月15日の午後、同校の教科準備室で、大学受験を控えた20代の卒業生の女性に勉強を教えた際、意識がもうろうとした状態にして、体を触るなどわいせつな行為をした疑い。

 同署は女性から相談を受け、捜査を開始。女性は「先生が出した紅茶を飲んだら、意識が薄れた」と話している。紅茶に、薬物などが混入されていた可能性なども考えられるが、同署は「現在、捜査中」としている。数越容疑者は「肩が凝っていると言ったので、ツボを押してあげただけ」と容疑を否認している。

 取材に応じた神戸高の溝口繁美校長(58)によると、数越容疑者は赴任4年目で物理などの教科を担当していた。昨年9月には、視聴覚教材を活用した研究に取り組み、視聴覚教育の普及や発展に貢献した実績を評価されて、「視聴覚教育・情報教育功労者」として文部科学大臣の表彰を受けたという。

 「熱心でまじめ。悪い評判は聞かなかった。在校生たちも、よく質問に行っていたと聞いている」と校長。神戸高は、毎年のように東大や京大の合格者を出す県内有数の進学校として知られている。数越容疑者は、ハイレベルな受験を目指す勉強熱心な生徒に頼りにされるほど、その指導力には定評があったという。

 同校のホームページにも「本校は、前身の神戸一中から数えて116年、県一高女からも111年の歴史を数える、県下屈指の伝統校です」と、誇らしげな溝口校長の談話を掲載。それだけに、数越容疑者が逮捕されたショックは大きく、「逮捕は非常に残念。生徒にも不安を与えたことにおわびしたい。保護者や職員と話し合い、対策を考えたい」と声を沈ませていた。

 ◆神戸高 前身は1896年に開校された神戸尋常中学校。1948年に現在の名称となった。同校のホームページによると、昨年度は東大4人、京大21人の合格者を出している。主な卒業生には、吉田茂元首相のブレーンとして活躍した実業家の白洲次郎氏や、ソニー創業者として知られる井深大氏(いぶか・まさる)、60年安保闘争で東大在学中に死亡した樺美智子氏、SF作家・小松左京氏らのほか、小説家・村上春樹氏や元タカラジェンヌで参院議長を務めた扇千景氏などがいる。