「もう外国人雇えぬ」カキ産地苦悩
2013.3.16 11:15 (1/2ページ)[殺人・殺人未遂]
 広島県江田島市は国内有数のカキ産地として知られる。近年は人口の4割近くを高齢者が占め、カキ生産の後継者不足が深刻化。中国や東南アジアから来日する研修・技能実習生らが労働力を担って生産量を維持してきただけに、事件は現地に深い影を落とした。地元関係者からは「今後は外国人を雇うのも難しくなる」と不安の声が上がる。

 「日本人で担い手がいないなら、働きに来てくれる中国人に頼るしかない」

 江田島市内でカキの養殖を営む男性(61)は率直な心情を吐露した。男性の会社では、これまでに計10人の中国人を雇ったことがあるという。男性は「日本人で働いているのは高齢者しかいない。若者は実の娘すら手伝ってくれないのが実情だ」と嘆く。

 江田島市はカキの生産量が全国でもトップクラスの自治体だ。ただ、実態は高齢化や後継者不足が進み、最近では中国人実習生らの労働力で維持されてきた。

 数年前まで実習生を受け入れていた市内の水産加工会社の社長(46)は「寒くてけんしょう炎になるなどつらい仕事だが、中国人はまじめでよく働いてくれる」と話す。

 しかし事件以降、中国人をカキの殻を取る「打ち子」などに雇ってきた漁業関係者からは、同種事件の再発への不安から「今後、外国人を雇えるのか」との声が上がり始めた。それでもカキ生産の現場は「中国人実習生がいなければ立ちゆかない」(関係者)というのが実情だ。

 水産会社のある経営者は「中国人実習生が事件を起こしても、見方が変わるわけではない。働きに来てくれるだけで非常にありがたい。利益を出すためには、これからも中国人を頼っていくよりほかない」と複雑な胸中を吐露した。

時給300円で人を使わないと成り立たない産業なら廃業した方がいいと思う。