「身元確認は困難」…アルジェリア治安当局筋
読売新聞 1月21日(月)13時43分配信
 アルジェリア東部イナメナスの天然ガス関連施設で起きた人質事件で、政府は現地時間21日朝(日本時間21日夕)から、事件による死傷者などが搬送されている現地の病院などで、邦人の安否確認作業を本格化させる。

 菅官房長官は21日午前の記者会見で、イナメナスに20日入った城内実外務政務官から邦人安否に関する新たな情報の報告はないとしたうえで、城内氏が現地時間午前8時(同午後4時)に病院を訪問することを明らかにした。政府は、鈴木俊一外務副大臣を政府専用機に同乗させて現地に派遣する。

 菅氏は、日本政府による邦人安否の確認について、「現地が21日朝になり次第、邦人安否の確認作業を進める」と語った。

 多数の人質を出したプラントメーカー「日揮」によると、日本人スタッフは7人の生存が確認され、10人の安否が依然不明となっている。政府は、アルジェリア政府から、複数の死亡情報が寄せられていることを認めているが、政府としては死亡を確認していない。

 菅氏は、人質の目撃情報などをもとに日本人9人が死亡したとする報道があることについて、「報道は承知しているが、確認していない」とした。

 菅氏によると、城内氏は20日、事件現場の施設を、同社の川名浩一社長らと視察したことを明らかにした。安全を確保しながらの施設の視察に時間がかかり、当初予定した病院訪問は21日に延期した。

 城内氏に続き、医務官を含めた日本政府関係者の第2陣も20日、イナメナスに空路向かったが、悪天候のため首都アルジェに引き返した。21日朝の便で再度、イナメナスに向かうという。

 ロイター通信は20日、アルジェリア治安当局筋の情報として、同施設のガスプラント部分で新たに人質25人の遺体が見つかったと伝えた。同国内務省は19日に人質23人が死亡したとの声明を発表しており、これが事実だとすれば人質の死者数は48人に上ることになる。

 同治安当局筋は、死亡した人質の国籍などは明らかにしていない。政府当局者はAP通信に「遺体の身元確認は困難だ」と語った。